令和元年度 新人大会南部支部1回戦 浦和麗明 vs 上尾鷹の台
1期生がラストイヤーを迎える浦和麗明 守備を磨きインターハイ、選手権で「県」を目指す
「堅守速攻」。この日一列前のボランチに入った岩崎玄太郎は「戦術勝ちっていうのはちょっと恥ずかしいですけど、今日はうまくハマって良かったと思っています」と手応えを見せた。
浦和麗明は前半26分、後方からの浮き球スルーパスに「スピードには自信があります」というチーム1の俊足MF水野集佑が反応して抜け出し。そのままディフェンスを置き去りにすると、飛び出してくるキーパーをよく見て、冷静にループシュートで流し込んだ。後半14分には練習を重ねてきたセットプレーから追加点。MF渡部叶介の左コーナーキックから岩崎が決めた。
終盤は2点を追う上尾鷹の台が攻撃の圧を強める中で後半38分にゴール前の混戦を決められて1点を返されたが、最後はしっかりと守り切って2?1で勝利。鄭立舜監督は「今年からちょっと守りの部分、とにかく点を取らせない、負けない試合をしようという形でやっていた。ほとんど前に出すボールが多かったんですけど、でもよく走ってくれたかなと思います」とした。
18年4月の共学化に伴いスタートした浦和麗明にとって今年は1期生のラストイヤーとなる。
公式戦初陣となった同年のインハイ1次予選には1年生のみで臨んだ中でチームは先制したものの、2点を返され敗退。当時、DF塚越啓剛は「しょうがないんですけど、体格やスピードの差を感じた。でもセカンドボールの回収は相手よりも勝てていたところがあったのでそこは収穫。どんどん修正していけば勝てない相手ではないと感じた」と、課題と収穫を語っていた。
昨年もひとつ上の代で揉まれる中で苦しむ場面もあったが、その経験は着実に現在のチームに生かされている。塚越は「フィジカルやスピードでも張り合えるようになってきたと最近感じている」と成長を実感。今年は守備重視にしたことで、勝ちを拾える試合も増えてきている。
続く川口東に敗れ、今回目標としていた武南との試合には届かなかったが、辞めていくメンバーもいた中でここまで残って続けてきた選手たちは「何かを残す」という強い気持ちを持っている。主将のDF佐々木翔太は「今年は選手権県大会出場を目指して頑張りたい」と意気込む。
何もないところから様々なことをひとつずつ積み重ねてきた1期生のラストイヤー。最後に笑うために、ここからレベルアップを図り、インターハイ、最後の選手権で「県」を目指す。
石黒登(取材・文)