昌平・柴圭汰「相手が上手いほど燃える」エース樺山を封じて、完封勝利に貢献

昌平が大阪代表の興國を2-0で破ってベスト16に進出した。2名のJリーガー内定者を出すなどタレントを揃えて、初出場ながらダークホース的存在の興國をシュート2本に抑える完勝だった。その立役者となった一人が、身長162センチのボランチ柴圭汰だ。小川優介とのダブルボランチが壁となって興國の攻撃を無力化させた。

中でも柴がモチベーションを高くさせたのは興國のエース10番樺山諒乃介選手の存在だった。「樺山選手にはライバル心を持って、絶対に止めてやると燃えていました。自分は相手が上手ければ、上手いほど燃えます。守備の経験を積むことができるので楽しみでした。チームとしてしっかりと抑えることができたけど、まだ自分一人で抑えたわけではない。それができるようにさらに成長したい」と満足そうな笑顔を見せながらもさらなる意欲をみせた。

さらに守備については「身長が小さいことを不利に思う人もいるかもしれないですが、自分自身は小さいことがすごくやりやすい。自分の間合いでディフェンスすることを常に心がけています。身体が小さいので、予測と反応で負けたら負けてしまうので、その部分は常に頭を回転させてやっています。昌平のみんなは上手い選手が多いので、普段の練習から、守備のバリエーションを増やすことができます」と、今日も“しば刈り機”と称されるプレースタイルで、ボールを次々と奪取するプレーが光った。

またボール奪取だけではなく、そこから攻撃の起点にもなった。「県予選を勝ち上がって、参入戦も戦うことで経験が生きていて自分自身、成長できている感じがあります。今まではボールを奪ったらすぐに味方に渡すというプレーが多かったのですが、少しずつプレーに余裕が出てきて、まずは小見を見るようにしたら、徐々に視野が広がってきました。今はマイボールを大切にすることを考えています。自分がバランスをしっかりとって、チームのバランスが崩れないように意識しています」と、自身の成長を感じていた。

「今日よりもセカンドボールを奪って攻撃の起点になれるようになりたい。チームとしても一戦一戦、成長している感じがあります。上に行くほど強い相手とできるので、より成長できるチャンスがあると思うので楽しみたい。一戦一戦集中をして、まずは次の試合に集中して戦い、目標である全国優勝を目指したいと思います」と次戦以降のチャレンジにも目を輝かせた。

ベスト8を掛けた明日の対戦は、東京代表の國学院久我山との一戦となった。強さとうまさを兼ね備えるチームをいかに抑えることができるかが勝敗のカギを握ることになりそうだ。

椛沢佑一(取材・文)