<全国高等学校サッカー選手権大会 埼玉県予選会決勝トーナメント3回戦>武南 vs 大宮東

全国高校サッカー選手権埼玉大会の3回戦。埼玉スタジアム第4グラウンドの第1試合は、武南と大宮東との対戦となった。

img_6929_r

このカードを見て懐かしいと思うオールド埼玉サッカーファンも多くいるのではないだろうか。1980年代に全国大会出場の凌ぎを削っていたのがこの武南と大宮東だった。武南高校の大山監督は「懐かしいよね。選手はもちろん、コーチ陣も大宮東高校の関係者もう随分と変わったので、この歴史を知っているのもボクくらいでしょう」と笑った。

試合の立ち上がりはお互い様子を見る展開となった。大山監督は「入り方が悪く。4バックで中央を固める相手のDFラインに対して、無理に攻めすぎた。もっと頭脳的にやらなければいけなかった」と振り返った。

しっかりとポゼションをして、サイドを有効に使う武南と、縦に早く攻める大宮東の構図となったが、前半はお互いにチャンスを作ることができずに0-0で折り返した。

しかし後半に入ると、早々に試合が動いた。46分、左サイドを14番のFW各務がドリブルで仕掛けた所を大宮東DFが倒してしまいPK。これを8番のMF奥村がしっかりと決めて武南が先制をした。「攻めあぐねていた中でラッキーな形で得点ができたことで落ち着いてゲームを進めることができた」と大山監督。ここから武南が試合をコントロールして優位に進めた。

大宮東は51分に7番のMF鈴木に代えて、9番のFW古澤を投入。攻撃のギアを入れるが、武南がサイドからチャンスを演出。13分、14分に立て続けに決定機を作るが、大宮東の21番GK福嶋がことどとくチャンスを防いだ。

武南は62分に9番MF玉上に代えて16番MF嶋崎。68分には10番MF加藤に代えて、17番MF松井を投入した。大宮東も67分に8番MF斎藤に代えて6番MF八川。19番FW柏木に代えて、11番MF平石を投入した。

2点目を決めて試合を決めにかかる武南は攻撃の威力を強めると、交代で入った武南の松井が右サイドを攻略。最終ラインまでえぐってクロスを入れた所を8番の奥村が決めて2-0とした。大山監督も「2点目は狙いとする形」と納得の表情だった。

試合は結局、武南が試合を終始コントロールして、大宮東の良さを出させずに完勝した。

準々決勝に進んだ、武南の次の対戦相手はインターハイ全国ベスト4で、優勝候補筆頭の昌平高校となる。大山監督は「昌平とは力の差があり、大変な相手であることは間違いない。ただ我々も夏には金沢で全国の強豪と対戦をしてきた。我慢をする所は我慢をして闘う術も身につけている」と語り、「ただ引くことはしない」と力強く次の昌平戦に向けて意気込んだ。楽しみな一戦になることは間違いない。

(取材・文)椛沢佑一

試合結果

武南 2-0 大宮東

0(前半)0
2(後半)0