<全国高等学校サッカー選手権大会 埼玉県予選会決勝トーナメント3回戦>浦和 vs 浦和南

全国高校サッカー選手権埼玉大会は10月29日(土)に3回戦を実施。昌平高校グラウンドで行われたこの日の第2試合は、ともに選手権優勝3回を誇る浦和高校と浦和南高校による一戦となった。

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「前半は自分たちが前向きで守備をできるように蹴って、まずは相手を後ろ向きにしようとしていた」(江原航平主将)という浦和南。序盤の蹴り合いを制し、サイド攻撃などから形を作っていくが、前半35分過ぎには江原のシュートがクロスバーを叩くなど、なかなか得点につなげることができない。

それでも前半39分、右サイドを突破した江原のクロスを堀田基輝が流し込み、浦和南が先制。堀田の2試合連続ゴール、そして前半終了間際という最高の時間帯での得点で勢いに乗るかと思われた。

だが、後半はあとがない浦和が攻めに転じる。後半10分のPKはゴールポストに当ててしまうが、その後14分、20分と迎えたチャンスを浦和南が活かしきれずにいると、20分過ぎからは浦和が連続してシュートまで持ち込んでいく。そして迎えた後半32分。右サイドを抜け出した佐藤匠の浮き玉のクロスに、伊藤宏哉が頭で合わせて浦和が土壇場で同点に追いつく。

しかし、同点とされたことで浦和南は再び集中力を取り戻す。失点からわずか4分後の後半36分、この日途中出場の仁平大輔がペナルティエリア内でキープしたボールを最後は高窪健人がシュート。ミートしなかったというボールは、しかしゴール左隅に吸い込まれた。1戦目、2戦目とゴールがなかったエースのここ一番の得点で2-1と勝ち越しに成功する。

試合はこのままタイムアップ。浦和南がベスト8に駒を進めた。とはいえ、監督や選手から聞こえてきたのは満足とは程遠い声だ。「今日はボールが2本とつながらなかった。(練習ではできても)緊張した中でできないというのは、実力ではないんでしょうね」と野崎正治監督。

江原主将も「監督の言う通り内容は完敗だと思います」と反省の言葉を口にし、「次までに1週間空くので、練習からもうそういうムードで、厳しい守備だったり、声だったり、この1週間で変えていかないといけないと思います」と、準々決勝までのチームの立て直しを誓った。

野崎監督が浦和南に帰還したのが今から4年前。今年の3年生はそれを知ってやってきたはじめの生徒たちだ。エースの高窪もその一人。そういった意味でも「3年生に期待しています、本当に」と指揮官。15年ぶりの選手権切符は“野崎チルドレン”ともいうべき、3年生の活躍にかかってきそうだ。

浦和南は準々決勝で第2シードの聖望学園高校と対戦する。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和 1vs2 浦和南

0(前半)1
1(後半)1