令和元年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会 決勝リーグ第2節 花咲徳栄 vs 本庄第一
令和元年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会・決勝リーグ第2節(21日、SFAフットボールセンター騎西ほか)。3年連続の3冠を狙う花咲徳栄高校は6ー2で本庄第一高校を下した。
ともに白星発進を切った2チームの一戦。試合は早々に動いた。花咲徳栄はFW渡邉莉沙子の仕掛けからFW加藤心和のシュートはキーパーの好守に防がれたが、そこで獲得した左コーナーキックから前半3分、こぼれ球をMF忽滑谷真輝がエリア外から直接突き刺して先制した。
さらに花咲徳栄は前半21分、フリーキックのリスタートから加藤が抜けだし、グラウンダーのクロスを渡邉が冷静に沈めて追加点。27分には再び加藤、渡邉のホットラインで3ー0とする。
本庄第一は開始早々にFW林里咲がゴールに迫ったものの、その後はなかなか決定機を作れずにいたが、後半8分にMF渡邉百優が右サイド深くで倒されフリーキックを獲得すると、MF和田千咲のキックをMF松野尾沙也がニアサイドでドンピシャのヘディングで叩いて1点を返す。
それでも花咲徳栄は後半15分、渡邉のフリーキックから加藤がバックヘッドですらしたボールがディフェンスに当たってゴールイン。再び3点差とすると、23分には加藤のこの日3つ目のアシストからMF渋谷桃果が、さらに32分に途中出場のMF笹川奈々美がネットを揺らした。
本庄第一は後半35分にDF堀口華奈が決めて追いすがったが、ビハインドを覆すことはできず。両軍合わせて8ゴールが飛び交った乱打戦を制した花咲徳栄が決勝リーグ2連勝を飾った。
国体選抜に選ばれた渡邉莉沙子が2ゴール! トップの加藤心和と好連携を披露
「サイドからいくつか良い突破もあったし、中央からの強引な突破もあって、結果サイドが空いてそこをうまく使えたかなというところで攻撃については良かったと思います」。2失点を喫したセットプレーの守備は課題に挙げたが、攻撃については末貴光監督も合格点を与えた。
特に目立ったのが前線でコンビを組む渡邉莉沙子、加藤心和の関係性だ。チーム2、3点目はいずれも加藤がキープし、渡邉が仕留めた形。県大会序盤は加藤が孤立するような場面もあった中で決勝リーグ初戦の久喜戦、この試合と2列目から飛び出す形が増えてきているという。
また「学総は前の選手として点を取る役割を果たすことができなくて、そこから得点力にこだわってきた」という渡邉はクロスの場面ではほとんどエリアに入っているなど、ゴールへの意識が大きく向上。最終戦もゴールし、決勝リーグ全試合得点を記録するなど新しい姿を見せた。
その渡邉は先日、茨城国体(女子サッカー競技は9月29日に開幕)に臨む埼玉県選抜にDF髙木優とともに追加招集。古巣レッズの面々が名を連ねる中で「レッズの選手はすべての面でレベルが高い。そこに選ばれたことは良い経験だと思うのでチーム内で少しでも自分の力を出せればいいと思う。やっぱり自分よりもうまい選手はいると思いますがそこは弱気になるのではなく、良い選手から良いものをしっかりと吸収してチームに還元できるようにしたい」。また「高校サッカーにしかない強さというのもすごくあると思う。粘り強さだったり、声を出すところだったり、高校サッカーだからこそ出せるプレーも出していきたい」と意気込みを語った。
強豪が顔を並べる関東、全国大会では昨年同様3バックでまずは守備から入る戦いもひとつの選択肢であり、そうなれば前線は3枚で崩し切って得点に結びつけることが求められる。この日見せたような前線の個で取り切る場面をいかに増やせるかが上の舞台での躍進の鍵となる。
石黒登(取材・文)
試合結果
花咲徳栄 6-2 本庄第一