令和元年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会 本庄第一 vs 南稜
令和元年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会・決勝リーグが16日に開幕。3年ぶりの覇権奪回を目指す本庄第一高校は学総準優勝の南稜高校を1ー0で下し、まずは白星発進を切った。
決勝リーグはトーナメントを勝ち上がった4校による総当たり戦で争われる。今年は本庄第一、南稜に加え、3連覇を狙う花咲徳栄高校、平成26年度大会覇者の久喜高校が勝ち上がった。
新人戦との2冠を獲得した平成28年度以来、3年ぶりのタイトル奪取に燃える本庄第一は、立ち上がりからFW林里咲が積極的にゴールを狙っていく。一方の南稜は縦パスからスピードのある右サイドハーフの林舞彩を走らせ反撃。一進一退の攻防の中で前半は0ー0に終わった。
そんな中、後半に入り主導権争いを制したのは本庄第一だった。左右に散らしながら展開すると11分、MF和田千咲のクロスからFW越高羽菜が好機を迎えたが、ここは好判断を見せた南稜GK鮎貝海空が死守。それでも「本一」のエースはその5分後、左サイドバックの杉田美穂子のクロスを呼び込むと、キーパーとのポジション争いを制し、ヘディングでネットを揺らした。
終盤は越高が離脱する事態もあったが、最後までしっかりと試合をコントロールした本庄第一が競ったゲームを制した。第2節は21日、本庄第一は花咲徳栄と、南稜は久喜と激突する。
頼れるエース越高が決勝ゴール 打倒徳栄へ「チャレンジャーとしてチーム全員で戦う」
昨年は決勝リーグ初戦で戦い敗戦、今夏の学総でも4強で敗れた苦手意識のある南稜を下したのはメンタルアップの賜物だ。「課題だった精神面を鍛えるために夏合宿ではみんなで意識を高く持って、きついメニューも声を出し合ってやってきました」とエースの越高は胸を張る。
立ち上がりから攻勢をかけると、「もう始まって3分くらいで「これは行けるな」って感じました。みんな余裕を持って焦りもなく繋げていたので、これはもう勝てたなと思いました」。
すると後半に2本の決定機が訪れる。1本目はキーパーの反応を褒めるしかないというようなセーブで防がれたが、直後に連続してクロスが上がると「2回目のボールが来た時はこれはもう勝ったなという自信がありました」。動き出しでキーパーとのポジショニング争いを制すると、自慢の体幹を生かした軸のぶれないヘディングでゴールを奪い、これが決勝点となった。
今年はめぬまカップで常盤木学園を撃破、また昨年の選手権を制した星槎国際湘南、村田女子といった全国区の強豪と好ゲームを演じるなど地力もあり、日野聡監督も「関東に行けばそこそこやると思いますし、力的には普通にやれば全国にも行けると思います」と自信を見せる。
関東出場に王手をかけ、迎えるは王者・花咲徳栄。現在のメンバーは3年生を含め一度も勝ったことはないが、越高は「本一なら絶対に勝てると思うので、チャレンジャーとしてチーム全員で戦いたい。徳栄に勝って埼玉制覇して全国に行きたいと思います」と意気込みを語った。
石黒登(取材・文)
試合結果
本庄第一 1-0 南稜