第37回浦和カップ 決勝 浦和学院 vs 桐生第一

5日(水)、浦和駒場スタジアムにて浦和カップ決勝が行われ、浦和学院高校と桐生第一高校(群馬)が対戦。ここまで無敗で勝ち上がった浦和学院は2ー2で迎えた延長前半に失点。一時は勝ち越しながら2ー3で破れ、大会初優勝にはあと一歩手が届かなかった。

今大会では予選グループを3戦全勝で突破。1位リーグでも武南高校を3ー1で下すと、前回優勝の浦和レッドダイヤモンズユースに1ー1で引き分け、無敗の1位で1988年以来、28大会ぶりの決勝進出を果たすなど、快進撃を見せていた浦和学院。

序盤から仕掛けてくる桐生第一に対し集中した守備を見せていたが、前半29分、ディフェンスラインの一瞬の隙を突かれてオウンゴールで失点する。それでも浦和学院は前半のラストプレーで同点に。齋藤雅之の力のあるロングシュートを相手GKが弾くと、そこに武南戦1ゴールの栗城来夢が詰めてゲームを振り出しに戻した。

後半も勢いそのままに臨むと6分に勝ち越しゴールが生まれる。後半開始から投入された右サイドバックの森氷河がアーリークロスをあげると、「来るのはわかっていたので、最後は信じて飛び込んだ」という齋藤がこれに反応。ニアサイドでダイビングヘッドを合わせ、つい数分前までのビハインドを跳ね返す。

しかしリードは長くは続かない。3分後の後半9分、相手MFにゴールを決められ再び同点とされると、そこから先は我慢の展開となった。10分過ぎのピンチはGK大橋裕史がセーブ。その後も相手の攻撃にさらされるが、ディフェンス陣が踏ん張りを見せ、第37回大会決勝は延長戦に突入する。

それでも4日間で6戦、延長戦に入り、ホッとしたところがあったのかもしれない。ゲームが動いたのはファーストプレー。延長前半1分、ディフェンスの連携が崩れたところをつかれ、相手に勝ち越しゴールを許す。結局これが決勝点となり敗戦。大会初優勝とはならなかった。

それでも「選手たちは頑張りを見せてくれた。すごい才能が眠っている子供たちだなと感じた」と森山泰行監督。決勝の舞台で1ゴール、1アシストを決めた齋藤、前日の1位リーグ2試合で4得点すべてに絡む活躍を見せた10番の田中和樹など、今大会では何人かの選手が才能の片鱗を見せた。

「まだシーズンは始まったばかり。ネガティブな考えはないはない。これからのシーズンを楽しみながら実を育てて、秋に収穫できるように」(森山監督)。春に花をつけた才能たちは秋にどのような実を実らせるのか。豊作の秋となることを期待したい。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和学院 2-3 桐生第一

1(前半)1
1(後半)1
0(延前)1
0(延後)0

最優秀選手

青木大和(桐生第一)

優秀選手

中村海生(桐生第一)
村木睦(桐生第一)
佐藤大地(桐生第一)
田中宏武(桐生第一)
田中和樹(浦和学院)
齋藤雅人(浦和学院)
安居海渡(浦和学院)
城直輝(市立船橋)
後藤凌斗(市立船橋)
小野寺佑太(武南)
長谷川魁哉(武南)