全国高校サッカー選手権埼玉県2次予選2回戦 浦和学院 vs 狭山ヶ丘

選手権2次トーナメント2回戦。雨天の中、浦和南高校グラウンドでも2試合が行われ、第1試合は浦和学院高校と狭山ヶ丘高校が対戦。試合は前半3分にFW田中和樹が先制した浦和学院が直後に同点とされたものの、後半29分に再度勝ち越して2ー1で3回戦進出を果たした。

「自分たちはインターハイベスト4だがそれしかない。チャレンジャーとしていつも毎試合戦おうと思って大会に入った」と浦和学院・田中。この試合ではエースが序盤から躍動した。

前半2分、右サイドバックの宇津木光騎のロングフィードに田中が反応。絶妙なトラップから右足で放った強烈なミドルは狭山ヶ丘GK青木祐太のファインセーブにあってゴールとはならず。「あれで決めたかったんですけど」と振り返ったが、そのコーナーキックからDF池田遙斗のグラウンダーのボールに対して再び右足でダイレクトで合わせてゴールに流し込んだ。

ゴール後は興奮もあってか足をもつれさせたが、仲間たちの祝福を受けて雄叫びをあげた。「この夏は怪我をしてしまって何もできなかった。そこで迷惑をかけた分、走ってチームに貢献できたらと思っていた」と田中。初の全国を目指す選手権初戦でいきなり決めてみせた。

しかし1回戦で前回準優勝の浦和南高校を下した関東大会4強の狭山ヶ丘もすぐさま反撃に出る。相手の時間をしっかりと凌ぐと前半9分、カウンターから抜け出したMF長尾晃介がエリア内で倒されてPKを獲得。これをDF伊東雄大が落ち着いて決めてスコアをタイに戻した。

その後ゲームは拮抗する。狭山ヶ丘は前線からFW佐藤倭らが激しく追いかけて相手に思うような攻撃を展開させず。浦和学院は前半24分、34分とFW岡部和希がゴールに迫ったが、GK青木の好守もあって追加点とはならない。アディショナルタイムにはMF安居海渡から田中にボールが入るも複数枚に囲まれてシュートは打てずに、前半は1ー1で折り返した。

前半は狭山ヶ丘の流れを受ける形となった浦和学院だが、「相手のストロングを消してメンタル的に優位に立つ。ファーストコンタクトでしっかりぶつかってやれる気持ちにさせないこと」(森山泰行監督)を再確認して臨んだ後半は相手の舞台で力強いプレーを発揮していく。

序盤こそ相手のパワープレーに押し込まれたが、「自分たちのペースになるまでとにかく跳ね返せ」と声を掛け合いながら「(ヘディングの)レベルは一個上」と森山監督が評するエアバトラーの安居、「空中戦には自信がある。絶対に負けない強い気持ちで跳ね返した」という古澤亮平、中里竜也のCBコンビといったセンターラインが相手の攻撃を跳ね返し続けた。

すると後半29分に決勝弾。MF齋藤雅之の左からのフリーキックにMF小船岳清が頭で中央に折り返すと、走り込んだ宇津木がキーパーと交錯しながらも押し込んで2ー1に。終盤狭山ヶ丘はGK青木も参加してのセットプレーで勝負をかけたが、最後まで高い集中力を持って対応した浦和学院守備陣が最少失点に抑え切って雨中の決戦を制し、ベスト16行きを決めた。

今夏の合宿では強豪大学とのトレーニングマッチで球際や空中戦を強化。練習からバチバチといく中で「強い相手でも身体負けしないようになった」(安居)ことが勝利につながった。

加えて選手層も一層厚くなった。総体予選後にボランチに転向した“隠し球”齋藤が中盤に加わったことにより土台が安定。負傷から復帰した田中の相棒にはこの日は「技術もあるしパンチ力もある」(森山監督)2年生の岡部が入ったが、前線で迫力を見せるなど好プレーを披露した。終盤に入ったサイドプレーヤーの永藤静都も好調でこの辺りは競わせていくという。

3回戦の相手は熊谷高校となった。「一戦必勝で挑みたい」と古澤。そして一戦一戦勝ち進んでいった暁には総体予選準決勝で0ー6と破れた打倒昌平という野望もある。「自分たちはどんどんチャレンジしていくしかない。途中で負けていたら意味がない」と安居。田中は「決勝は昌平がくると思うので、そこで倒して全国に行きたい」と最後の冬にかける想いを語る。

力強さを増した浦和学院、夏は経験不足を露呈したが今度はそうはいかないはずだ。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和学院 2-1 狭山ヶ丘

1(前半)1
1(後半)0

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