第1回埼玉国際サッカーフェスティバル U-16男子決勝 浦和南 vs 矢板中央
埼玉国際サッカーフェスティバル最終日。RHF駒場ではU-16男子の決勝が行われ、浦和南高校と矢板中央高校(栃木)が対戦。県勢として大会初代王者を狙った浦和南は、最後まで粘りをみせたが3ー5で敗れ、準優勝に終わった。
浦和南は前半7分に先制点を許すと、25分に丸山瑞貴が同点ゴールを決めたものの、36分に再び失点し1ー2で後半へ。迎えた後半はセットプレーなどから開始7分で2点を奪われ3点差とされたが、23分、37分と三度、丸山が決めて1点差と迫る。しかし直後に混戦から失点し3ー5。勝利にはあと一歩届かなかった。
この試合では後ろから丁寧につなぎながら、縦パスを狙うサッカーを展開。実際に何度も両サイドやFWの足元にボールが入った。しかしそこから先の展開で落としたボールを拾われるなど、なかなか前線でうまく収まらず。逆に奪われてからの速攻から、縦への早さや前線のフィジカルを活かしたアタックで失点を重ねた。
「技術、フィジカル、メンタル、トータルで相手の方が上だった。今日の試合を勝てるようなレベルでなければ、県を戦い抜いて、全国に出るような選手にはならない。しっかりと課題を感じて、個人の強化をしなさいと伝えた」と秋元勝コーチ。
そんな中でも光明もあった。今大会はAチーム7人を怪我で欠くなど、選手起用でも難しい戦いを強いられたが、Bチームからの昇格組が結果を残した。この日、右サイドハーフとして先発し、ハットトリックを決めた丸山もその一人。しばらくゴールから遠ざかっていたというが、決勝の舞台で3ゴールと爆発した。
「中盤あたりで奪ってから裏に抜けることを考えていた」(丸山)。前半25分に渡辺優人のパスから抜け出すとキーパーが前がかりなのを冷静に見極めて同点ゴール。さらに本職のトップに移った後半23分には壁下竜人のクロスに合わせて2点目を決める。極め付けは3点目。敵陣中央右よりでボールを受けると、そこからロングシュート。ボールはキーパーの頭上を越え、ゴールに突き刺さった。
「今日の(3点)で少し自信がついた。前(のポジション)をやりたい気持ちもある」と試合後に語った丸山。トップの定位置奪取に強い意欲を見せた。
西村滉雄主将も「西武台戦で得点を決めた選手もBチームだった選手。競争が激しくなって、もともとスタメンだった選手たちも安泰ではない状況になったのは収穫」とこの状況を歓迎。チームには今、良い意味で競争意識が働いている。
この経験を毒とするか、薬とするかは今後の選手たち次第だ。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和南 3-5 矢板中央
1(前半)2
2(後半)3