関東高校サッカー大会埼玉県予選 準々決勝 西武台 vs ふじみ野

関東高校サッカー大会埼玉県予選準々決勝。西武台高校はふじみ野高校を4ー0で下し、新人戦に続き4強に進んだ。準決勝は新人戦準Vの正智深谷高校を破った浦和東高校と激突する。

立ち上がりの10分を終え、先制したのは西武台。前半13分、DF森下怜からの浮きパスをFW谷直哉が落とすと、左サイドから斜めに走り込んだMF山本稜真が決めてスコアを動かした。

このゴールで勢いに乗ると、前半25分にはMF池田上総介が右サイドのMF大野田駿に展開。オーバーラップした森下のクロスに谷が今大会6ゴール目を代名詞のヘディングから突き刺す。さらにその5分後には後方からのロングボールに谷が今度は競り合いの強さを生かして左サイドでボールをキープし、クロスからの混戦を最後はMF岩田璃玖が押し込んで3ー0とした。

後半も西武台は選手を入れ替えながら池田の展開力を生かしたサイドアタックなどで攻め込む。25分にはFW寺川洋人のアシストからFW南雲俊治がゴールと途中出場組も結果を残した。

ふじみ野は後半9分にMF山田希夢のポストプレーからMF石川裕雅が繋いでFW大曽根海人が狙うもうまくヒットせず。前半は守備をする時間が多かった前戦ハットトリックの10番MF小池柊也もアタックに加わりゴールを狙ったが、西武台の守備を前にこの日は1点が遠かった。

4ー0と完勝した西武台が優勝した2015年大会以来の関東本大会に向け、あと1勝と迫った。

4年ぶりの本戦をかけた準決勝に向け、守屋保監督は「少しでも自分たちの良いところが出せるように持っていけたら。相手の良いところを潰すのもサッカーなのかもしれないが、まだ高校生なので自分たちができることがなんなのかだけを見させたい」とストロングで臨む構え。

また「次は駒場でできるというのはやっぱり大きい。うちは年がら年中ここ(西武台第2グラウンド)でばかりやっているので、外に出て行っての強さがだんだん感じられなくなってきていた。そういう環境にまず自分たちの身を置けることが今回プラスになってほしい」とした。

OB清水慎太郎を彷彿させる「泥臭さ」持ったFW 谷が準々決勝でも3点に絡む活躍

1トップの谷直哉が止まらない。1回戦のハットトリック、2回戦のヘディングでの2ゴールに続き、この日も1ゴール、1アシストを含む前半の3点に絡んで準決勝進出に貢献した。

これで3戦連発、通算6得点目(うちヘディングで5点)。また、得点以外の部分でも谷が前線でポイントを作ることで、ドリブルと展開力に優れるトップ下の池田が前を向いてボールを持つことができ、その結果として両サイドが空いてくるなど、チームに好循環を生んでいる。

身長175cmと決して大きい方ではないが、空中戦に強く、前でしっかりと収めて起点を作れ、泥臭くゴールを奪う様は同部のOBのFW清水慎太郎(現・水戸ホーリーホック)に重なる。

指揮官も「慎太郎ほど華はないですけど、似たような泥臭さを持っている」と評価。本人は先輩Jリーガーを彷彿させるという声に「ちょっと恐れ多いです」と言って苦笑いを浮かべたが、「タイプ的にはそういうところを目指している。チームを勝たせるために、やっぱり貪欲に点を決めることを意識しています」と、全国に導いたOBのようにゴールへの執着を見せた。

「今日は得点できるシーンが結構あったので、そこを決めきれなかったのは個人的には残念。次はもっと点を取りたいです」と谷。まずは次戦、自らのゴールで関東本大会行きを決める。

試合結果

西武台 4-0 ふじみ野

3(前半)0
1(後半)0