第1回埼玉国際サッカーフェスティバル U-16男子 5位決定戦 武南vs正智深谷
埼玉国際サッカーフェスティバル2日目。戸田惣右衛門公園サッカー場ではU-16男子の準決勝と5位決定戦が行われ、5位決定戦は正智深谷高校と武南高校が対戦。前半・後半と1点ずつを加えた武南が2ー0で勝利した。
試合は序盤から攻守が激しく入れ替わるスリリングな展開となった。中盤で細かくつないで崩そうとする正智深谷に対し、武南は右サイド・ラビーニ瑠栞の突破を一つの武器としていく。武南は9分に渡辺瑠太が、正智深谷は17分に新井秀真が決定機を迎えるが、両校GKの好守もあって序盤戦は0で推移していった。
そんな中、先制点を挙げたのは武南だった。前半24分、左コーナーキックを獲得すると、DFの紺野辰也はキッカーの塩崎正巳に「低くて速いボール」を要求。すると「ヘディングが得意」だという紺野が、このボールにドンピシャで合わせて均衡を破る。その後も攻め続けた武南が1ー0とリードしてハーフタイムを迎えた。
勢いに乗る武南は後半頭から連続してゴールに迫ると11分に追加点。この試合サイドで存在感を見せていたラビーニが縦に仕掛けてクロスを入れると、このボールを渡辺が決めてみせた。「練習中からラビーニが縦に抜けて、速いクロスを入れるというのはわかっていた。お決まりの形です」と渡辺。また、見事な突破を見せたラビーニに対しても、ベンチから「それでいいんだ!」という声が飛んだ。
さらに武南は後半17分に渡辺、26分には左サイドを突破した渡辺のパスから途中出場の新井英博が試合を決定づける3点目を狙っていく。一方、正智深谷は中盤でボールを失うなど、なかなかシュートまで持っていくことができず。結局試合は2ー0のままタイムアップ。埼玉強豪校対決は古豪・武南に軍配が上がった。
それでも「目的はあくまでも次のステップ」と武南・大山照人監督。「まだまだ力が足りない。上のレベルにいったら大変だよと。(今週は)良いところも悪いところも出たのでそういう意味では良かった」と大会を振り返った。今大会では選手たちの「ハートの部分」に強い刺激を与えることを狙いとしていたという。
この日出場したメンバーたちも4月からは新2年生。当然トップチームに食い込んでいかなければならない年代となる。「これからはより厳しいレベルの中で育てていかなければいけない。多少リスクがあってもどんどん投入していこうと思っている」(大山監督)。果たしてこの中から何人が上の年代に絡んでくるのか。まずは4月の関東大会予選(4月15日開幕)を楽しみにしたいところだ。
石黒登(取材・文)
試合結果
武南 2-0 正智深谷
1(前半)0
1(後半)0