平成30年度 埼玉県高校サッカー新人大会3回戦 獨協埼玉 vs 叡明

新人大会・東部支部予選3回戦。獨協埼玉高校は叡明高校と対戦し、PK戦の末に競り勝った。準々決勝で越ヶ谷高校に敗れ4強入りはならなかったが、初の関東予選出場をかけて5位決定トーナメントに進んだ。2日は草加南高校と激突、3日の5位決定戦に勝てば関東が決まる。

3度のビハインドを背負いながらも、そのたびに粘りを見せた獨協埼玉が接戦をものにした。

風が強まる中で行われたこの日の第3試合目。立ち上がりから互いに譲らぬ一進一退の展開となった中で、先にスコアを動かしたのは叡明だった。前半17分、セットプレーから10番のFW金子竜人が決めて均衡を破る。しかし獨協埼玉もすぐさま反撃、29分にMF仲村悠希の裏ヘのパスに抜けた1年生MF久保田凜がキーパーとの1対1を冷静に交わして同点に追いついた。

後半は風上の叡明が攻め手を強める中で17分、ロングスローからDF森木朝晃が競って、こぼれ球をFW松尾航希がシュート。一度は弾かれるもMF畠山遥平が詰めて再び叡明が勝ち越す。

しかし獨協埼玉も一歩も引かない。後半28分、DF堤大貴の左クロスを相手の死角から回り込んだ久保田がファーサイドで今度は右足ダイレクトで合わせて、再びスコアをタイに戻した。

それでも叡明はその3分後、敵陣でフリーキックを獲得すると、畠山のキックから先制ゴールの金子が相手キーパーと交錯しながらもバックヘッドで沈めて三度、獨協埼玉を引き離す。

だがゲームはこのままでは終わらなかった。獨協埼玉は終盤に途中出場のMF森谷堅真が大仕事。怪我明けで「1発にかけていた」という1年生MFは後半39分、堤のフリーキックからヘディングで同点弾。土壇場で獨協埼玉が3ー3とし勝負は延長戦、そしてPK戦にもつれ込む。

強風でなかなかボールも止まらない中行われたPK戦は、4人目を終えて4対3とリードを奪った獨協埼玉が、先行叡明の5人目をGK西村明透がストップして激闘にピリオドを打った。

「俺が決める!」出世番号「14」背負う久保田が2ゴール!

「試合前から絶対に俺が決めるっていう強い気持ちで今日の試合に挑んだのでその気持ちゴールに結びついたんだと思います」。1年生MF久保田凜が2ゴールでチームを引っ張った。

「裏に出たボールは絶対に反応するっていうのは小さい頃からやっていたので」と2列目から抜け出して1点目を奪うと、後半再び1点を追う場面ではクロスから右足ダイレクトで合わせるなど、武器だという体力で走り回り、判断の良いシュートでネットにボールを運んだ。

ちなみに「14」は下級生の有望株がつける番号。昨年は新チームからキャプテンを務める仲村がやはりこの「14」をつけて戦った。「14番は来年の軸になる人っていうことを聞いて、絶対に結果を残さなきゃなと思っていた。今日は2ゴール決められて良かったです」と久保田。

残念ながら4強進出とはならなかったが、「俺がこのチームをスタジアムとか県大に連れていけるような選手になれるように頑張りたい」と昨年の「14」のように目をぎらつかせていた。

石黒登(取材・文)

試合結果

獨協埼玉 3(4PK3)3 叡明