平成30年度学校総合体育大会 中学校サッカーの部 準々決勝 春日部 vs 越谷千間台

平成30年度学校総合体育大会 中学校サッカーの部準々決勝。越谷千間台中学校と春日部中学校の一戦は、延長後半4分にMF立松侑莉の劇的ゴールで勝利した千間台が4強に名乗りを上げた。千間台は初の決勝、そして関東大会切符を懸けて準決勝で坂戸若宮高校と対戦する。

立ち上がりから攻めたのは春日部。両サイドから連続して仕掛けていくとクーリングブレーク前の前半16分、MF青木凌磨のクロスにFW萩原康太がどんぴしゃのタイミングで合わせたが、これは千間台GK小曽川柊がビッグセーブ。さらにアディショナルタイムにはDF西村龍太朗のセンタリングからMF鈴木力斗のヘディングが枠を捉えたが、再び小曽川が立ちふさがる。

対する千間台こそ序盤は攻撃の構築がうまくいかず守勢に回ることが多かったが、クーリングブレーク後はその辺りをしっかりと修正。決定機の演出までは至らなかったものの、その後はボールを持つ時間も増えるなど、形成的にも盛り返しながらスコアレスで前半を折り返した。

後半千間台はスタートからMF新田秀佳、クーリングブレーク後にFWマドエケ剣之介と元気な2年生アタッカーを投入。前線から積極的にプレスをかけながら攻撃の機会をうかがう。

なかなかスコアが動かない中で春日部は終盤に決定機。カウンターから青木が左サイドを抜け出すも、シュートは惜しくも枠外。30分にも決定機を迎えたが、ここも小曽川が身体を張ってブロックする。前後半60分を終えても決着はつかず、勝負の行方は延長戦にもつれ込んだ。

延長前半の5分間があっという間に過ぎ、迎えた最後の5分間も刻一刻とすぎる中で勝負を決するゴールが生まれたのは延長後半4分だった。中盤でボールを持った新田がドリブルで仕掛けると、ディフェンダー2人に挟まれながらもラストパス。これをフリーで受けた立松がしっかりと沈めた。終了間際の劇的弾で千間台が平成25年度大会以来となる4強入りを決めた。

シュート、決定機の数では相手に上回られたが、最後の部分はやらせなかった。「子供たちはすごく集中していた。相手のスピードや技術を封じ込めるように、特徴を消すように、うまくひとりひとりが対応してくれた」と山﨑勉監督。これで2回戦(vs.土合中2ー0)、3回戦(vs.熊谷玉井中1ー0)に続き、3戦連続の零封。粘り強い守備はチームの特徴のひとつだ。

「この代はうちに秘めた闘志を表に出さない子が多かった。でもやっぱり3年生のこの時期になってチームもまとまってきて、厳しさを知る中で少したくましくなってきたかなと思います」と指揮官。戦う中で精神的な強さを手に入れたイレブンが29日、関東懸けの一戦に臨む。

準々決勝でも好守連発! 千間台の守護神・小曽川が3戦連続の零封

今大会当たっているという千間台の守護神・小曽川が準々決勝でもチームのピンチを救った。

この日も好守を連発。立ち上がりから攻め込まれる中で前半16分には相手の決定的なヘディングをワンハンドでセーブ。後半30分には相手の決定機に対し、前に出て身体に当てて防いだ。「今日の試合が一番攻撃もきたし、シュートを受けた本数も多かった中で失点0に抑えられたことは自分的にはとても嬉しかった」。まさに守護神たる活躍でチームの勝利に貢献した。

2年生ではあるが、上級生が並ぶディフェンスラインをしっかり統率できるリーダーシップ、メンタリティもある。「自分はキーパーとしては身長もないし、ハンドキックも県のレベルからしたら低い方だと思うけど、声が出る。自分の声でチームを盛り上げていきたいです」。

2回戦の土合戦から始まりこれで3戦連続の零封と好調だ。次勝てば決勝進出、そして関東大会出場が決まる。「まだ自分たちは何も成し遂げていない。目標は全国大会なのでしっかりと守って、みんなで点を取って勝ちたいです」。もちろん4戦連続の「0」も狙っていく。

石黒登(取材・文)

試合結果

春日部 0-1 越谷千間台

0(前半)0
0(後半)0
0(延前)0
0(延後)1