平成30年度学校総合体育大会 中学校サッカーの部 3回戦 上里 vs 川越砂

平成30年度学校総合体育大会 中学校サッカーの部3回戦。川越砂中学校と上里中学校の一戦は1ー1で延長戦に突入する中で延長後半2分、FW木内太陽の劇的決勝ゴールで川越砂が県大会初のベスト8進出を決めた。川越砂は27日の準々決勝で朝霞第二中学校と激突する。


2回戦でさいたま常盤中学校を下し、県大会初勝利を挙げた川越砂が再び歴史を上書きした。

前半10分にスローインから一瞬の隙を突かれて先制点を許した川越砂。それでもクーリングブレーク明けの21分にFW池田翔哉の縦パスから右サイドを抜け出した木内がシュート、そのこぼれ球を「よくPKの練習をしていたので、それもあってしっかり左サイドを狙うことができたのかなと思います」というFW小野寺和志が冷静に流し込んですぐさま同点に追いついた。

後半は再びの勝ち越しを狙う上里が縦に速い仕掛けから攻勢を強めていく展開。川越砂はなかなかセカンドボール拾うことができず、またゲームメイカーのMF小林空が負傷で一時ピッチを離れるなど攻守両面で苦しい時間帯を強いられたが、ディフェンスラインを中心に最後の部分で踏ん張って追加点は与えない。勝負の行方はついに5分ハーフの延長戦にもつれ込んだ。

スコアが動いたのは延長後半2分。小野寺のスルーパスに木内が抜け出すと「キーパーが前に出ていたので気持ちで押し込みました」。右ポスト内側に当たったシュートは回転がかかる形でゴールラインに吸い込まれてこれが決勝点。川越砂が初の県大会ベスト8入りを決めた。

仙波佑介監督は「キーパーを含めてディフェンスラインがよく踏ん張ってくれた。本当に苦しい時間帯が長かったんですけど、よくチャンスを1本決めてくれた」と選手たちを称賛。守備でチームを支えた土屋陽暉は「後半は攻められっぱなしで苦しい展開でした」としながら「その前の常盤戦が教訓になった」と対常盤の経験が後半以降の失点0に繋がったと明かした。

これまで県の舞台では1回戦の壁に跳ね返されてきた中で、今大会は初戦となった2回戦で常盤を3ー1で撃破し県大会初勝利。そして3回戦も制し、ひとつの目標としていたベスト8に駒を進めた。準々決勝の相手は朝霞第二。「相手は強いが、彼らを信じて自分たちの良さを出しながらできたらいい」と指揮官。今大会3度目の「初の」を引き寄せ、4強進出となるか。

「お前がヒーローになるしかないよ」 期待に応えた木内が延長後半に決勝点!

「お前がヒーローになるしかないよ」。

延長後半に入る直前、監督にそう声をかけられたという木内が今度こそヒーローになった。

疲れもピークに達していたであろう延長後半2分。前線が連動して作ったスペースを抜け出すと、小野寺のスルーパスに「気持ちで押し込みました」。ポストに当たりながらもボールがラインを割ったのを見届けるや人差し指を高く空に掲げ、仲間たちからの特大の祝福を受けた。

「ずっとヒーローになれなかったんですよ。自分が取っても追いつかれて、他の人が取ってその人がヒーローになるような展開が続いていて。やっとヒーローになれたかなという感じ。もう言葉にできないくらいすごく嬉しかったですね」。殊勲のエースはそう言って笑った。

もともとキープ力は強みにしていたものの、ここにきて課題だった得点力も向上。初戦となった2回戦の常盤戦では勝負を決める3点目、そしてこの試合では決勝点と印象的なゴールを積み重ねる。「決めるところで決める。ああいうプレーヤーになりたいと思っています」というリオネル・メッシやモハメド・サラーのようにチームを勝たせられるプレーヤーへ。「自分の力を発揮して、さらに点が決められたらいいと思います」と準々決勝でもゴールを誓った。

石黒登(取材・文)

試合結果

上里 1-2 川越砂

1(前半)1
0(後半)0
0(延前)0
0(延後)1

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