[選手権]FW藤森隼叶が2発!武南が国際学院を下し8強進出、西武台とのリベンジマッチへ
難敵を振り切り、リベンジ決戦へ。第104回全国高校サッカー選手権埼玉県予選の3回戦が25日に行われ、武南が国際学院に2-1で勝利。武南は11月2日の準々決勝で西武台と戦う。

武南は相手の圧力に対しMF平野琉斗(3年)主将やMF小山一絆(2年)がボールを運び出しながら長短のパスでゲームメイク。左SH渡辺悠(2年)、右SH関口海龍(3年)の力のある両翼がカットインを狙い、右SB滝沢大輔(3年)も積極的にサイドを駆け上がって好機を作る。
25分には滝沢が股抜きで相手を交わし、サイドを抉ってマイナスのクロスに10番MF有川達琉(3年)が合わせたシュートは惜しくもゴール上に。26分にも小山の浮きパスに抜け出した渡辺がカットインシュートでゴールに迫る。するとその直後の27分、武南はDF田村大地(3年)の縦パスに抜け出したFW藤森隼叶(3年)が右足でコースに流し込んで先制点を奪った。
武南は1-0で折り返した後半7分、小山の縦パスに抜け出した関口の左足アウトにかけたシュートが惜しくも枠外に。国際学院も後半出場のMF西村拓馬(3年)が右サイドを抉り、9分にはマイナスのクロスから10番MF渡邉脩斗(3年)がダイレクトで狙っていく。13分には武南が滝沢のクロスから有川がヘディングでネットを揺らしたが、オフサイドの判定となった。
国際学院は17分、渡邉が左サイドを抜け出し、MF綿引怜亜瑠(3年)が鋭い反転から決定的なシュート。24分には左クロスから渡邉の決定機は武南GK金昶銖(2年)が好反応を見せて阻止する。渡邉は続くCKのこぼれを右足シュートで狙ったが、ボールはわずかに上に外れた。
国際学院は後半チャンスを作る中で、なかなか決めきることができていなかったが、それでも28分、途中出場の左SB鈴木颯也(3年)のアーリークロスを渡邉が中央でしっかりと収め、ラストパス。これに抜け出したMF松本虎太郎(3年)が左足シュートでゴールネットを揺らした。
武南にとっては痛い失点になるかと思われたが、失点からわずか3分後の31分に勝ち越し点を決める。大宮東との初戦でも交代出場直後に同点ゴールを挙げた“ジョーカー”MF鞭馬小太朗(2年)の左クロスにニアスポットに飛び込んだ藤森が右足で合わせてこの日2点目を奪った。
武南は今シーズン、前線の第一候補としてプレーし続けていたFW塚田恵斗(2年)が、この夏に前十時靱帯損傷の大けがでチームを離脱。急遽、代役捜しをしなければならない状況となった。塚田不在後、レギュラーに入ることが多かった岩澤柾吾(2年)や189cmの長身・千葉龍ノ介(3年)、関口の0トップなどもプランとしてあった中でS2を主戦場にしてきた藤森が一発回答。「トップの試合に先発で出るのは初めて。絶対に点を取ろうと思っていた」と笑顔を見せた。
国際学院は42分、西村のシュートがDFに当たってコースを変えゴールに向かったが、金がしっかりと捕球。後半は決定機で相手を上回った中で酒井宏治監督は「取り合いのゲームになるとは思っていたんですけど、やっぱりこれ決めたいなっていうチャンスで入らなかったのは残念だった」と悔やんだ。一時は追いつかれるも、2-1で振り切った武南が8強入りを果たした。
武南・内野慎一郎監督は「背後を狙ってくるところは予測していたんですけども、思ったよりも田中理月がいなくなって、ちょっと収まるところがなくなってしまった。そこがちょっと落ち着かなかった理由でもあるかなと思います」と話す。昨年、優秀選手に入ったDF田中理月(3年)が怪我明けで、この日は後半34分からの出場。「西武台戦は難しくなると思うので、そこでコンディションがどうなのかっていうのも、ちょっと加味しながら今週1週間考えたい」とした。
準々決勝の相手、西武台は今季新人戦決勝でも対戦し、1-5で敗れている。内野監督は「西武台はやっぱり力はあるし、個の能力は高い。それに対してどう、自分たちがそこを超えられるかっていうトレーニングは1年間してきた。相手の個をどう無力化しながら、自分たちの良さを出せるかっていうところは、駒場では表現できればいいかなと思います」と語った。今年1年間の成長を示す駒場決戦。優勝候補にも挙げられる相手を下し、19大会ぶりの全国へ勢いをつける。
石黒登(取材・文)
試合結果
武南 2-1 国際学院
1(前半)0
1(後半)1


