[学総]本太中、尾間木中を振り切りさいたま市制覇!「メンタル面」で大きく成長、6試合連続の1-0勝利で頂点に
令和7年度さいたま市学校総合体育大会の決勝が6日に浦和駒場スタジアムで行われ、本太中と尾間木中が対戦。前半の1点を守り切った本太中が1-0で制し、さいたま市制覇を果たした。
4試合14得点の尾間木中と、1回戦からの5試合すべてを1-0で勝利してきた本太中。対照的な2チームの対決となったファイナルは、尾間木中が前半からペースを握って攻め込んだ。
尾間木中はFW伊藤虎太郎(3年)とFW長蒼斗(2年)の両サイドが果敢にドリブルで仕掛け。また、セットプレーを交えてゴールへと迫る。対する本太中も準決勝は4バックで臨んでいた中で決勝は3バックに変更。マンツーマンで守りつつ、1枚余るような状況を作って対応する。
そして最後のところでは、準決勝でも獅子奮迅の活躍だった守護神の太田隼磨(3年)が好守を見せる。25分に伊藤のFKをストップすると、その後もクロス対応でも存在感。30分には伊藤に抜け出しを許したが、太田が1対1を落ち着いてセーブして、この試合もゴールは許さない。
粘り強く守ると33分、狙いとしていた形から得点が生まれる。前線でFW新井一樹(3年)がキープし、DF星野恕(3年)が左サイドに抜け出すと、FW古谷航史朗(2年)のクロスにDF鵜飼英(3年)が「相手がボールウォッチャーになっていて、サイドが空いているなと思ってそこに入ったら良いボールが来た」とディフェンスの背後から入り込んでヘディングで奪った。
後半はさらに苦しい時間が続いたが、本太中はDF成田良汰(2年)や献身的なプレーが光るMF杉本大河(3年)を中心に跳ね返し。尾間木中は10番MF水上瀬那(3年)主将がミドルシュートで狙うなど最後までゴールに迫ったが、前半の鵜飼の1点を守り切った本太中が1-0で勝利しタイトルを掴んだ。本太中の学総市大会制覇はさいたま市となってから初だった。
強豪揃いのさいたま市を6試合連続のウノゼロで制覇。FW内山瑛太(3年)主将も「夢のよう。誰も多分予想してなかったチームだと思いますし、自分たちも驚いています」と驚きを隠さない。
田中秀幸監督も「本当に1回戦で負ける可能性もありました」というように決して期待値の高かった代というわけではない。その中でも指揮官は「(成長したのは)やっぱり折れないところだったり、メンタル面かなと思います。結構おとなしい子が多い感じなんですよ。その中でも(1人1人が)なんとかしてやろうっていう気持ちがみんな強くなってきて、やっぱり自発的に声を出して、雰囲気を作って、その上でやっぱりメンタルは一戦一戦を強くなってきました」と話す。
ラウンド16では新人戦県大会準優勝の南浦和中を撃破し、勢いに乗った。「真面目」だという今年の代は準決勝、決勝でも最後の部分で足を出してシュートブロックし、ヘディングなどもサボらず勤勉にプレー。そして終盤の苦しい時間帯では全員で声を出して繋がりながら、「走るっていうことだけは本当にこだわってやってきました」(監督)という運動量を生かし頂点に立った。
さいたま市1位として迎える県大会へ。内山主将は「自分たちの守備を生かして、1個1個耐えて勝ちます。優勝を狙います」と宣言。自信を深める守備で流れを掴み、県大会も勝ち上がる。
石黒登(取材・文)
試合結果
本太中 1-0 尾間木中
1(前半)0
0(後半)0