[総体]西武台、成徳深谷を振り切り2年連続で決勝進出!「自分たちの方がやってきた」練習量を自信に接戦勝ち切る
11日、令和7年度全国高校総体サッカー大会埼玉県大会準決勝がNack5スタジアム大宮で行われ、西武台が1-0で成徳深谷に勝利。5大会ぶりの全国を目指し、15日の決勝で昌平と戦う。
成徳深谷はこの日もDF山谷康太朗(3年)のロングスローをポイントに力強く相手ゴール前へ。8分には山谷の遠投からの展開でゴール前で生まれた混戦のこぼれをDF今井葵大(3年)が決定的なシュートを放ったが、ここは西武台GK石田永遠(3年)が好反応を見せ防いだ。
西武台・関根雄太監督は「まず最初の10分で、かなり相手のロングスローがあったと思うんですけど、それをディフェンス陣がよく身体を張ってキーパーの石田を中心に守ってくれたと思います」と話す。昨冬の選手権予選準決勝の浦和学院戦では7分のセットプレーで失点し、流れを逸したが、石田やキャプテンのCB高倉大翔(3年)を中心に跳ね返し、ゴールは割らせない。
攻撃面ではCF青木彬朗、左WG太田和希、右WG滝澤智貴(ともに3年)とスピード豊かな3トップを配置。シンプルに配球しながら太田や滝澤のカットインからゴールを狙いに行く。
すると試合が動いたのは15分だ。西武台は自陣からのFKでボールを繋ぎ、MF広瀬陸(3年)とのワンツーから滝澤が中央にグラウンダーパスを送ると、左サイドでMF杉山幸一郎(3年)がスルーを呼び込んだFW太田和希(3年)が3試合連続となるゴールを流し込んで先制した。
西武台は22分にも太田が抜け出し、27分には青木が切り返しから惜しいシュートを放った。成徳深谷は27分、長身FW頓宮琥太郎(3年)を下げ、FW関根大和(3年)を投入。さらに後半はMF鯨井遙翔(3年)、10番MF白川成夢(3年)と攻撃のカードを切って勝負に出る。
成徳深谷は後半、中盤でセカンドボールを回収しながら相手コートでプレーする時間を増やし、セットプレーやクロスからの折り返しの形でゴールに迫る。15分には右WBの菅井陽斗(3年)のクロスから鯨井がリターンし、白川がシュート。28分にはMF朝烏真大(3年)主将がエリア深くに入れたボールをCB横山大平(3年)が中にヘディングで折り返しチャンスを作る。
西武台は後半、苦しい時間帯が続いたが、「今日みたいな戦うチームはあいつ、大好きだと思うので。ヘディングもほとんど負けてなかったんじゃないですかね」と関根監督も話す高倉が空中戦で強さを発揮。また、「いなかったら、多分準決勝まで来られてないんじゃないかなっていうところもあったので」という石田が最後まで安定してゴールを守り続け、1-0勝利を飾った。
今大会は初戦から花咲徳栄に3-2、浦和学院戦では延長の末に2-1と厳しい戦いが続いた中で粘り強く勝ちあがり。関根監督は「練習量じゃないですか。練習はうちはかなり長くやっているので、それが選手たちが最後まで粘り強くやれている要因じゃないかなと思います」と話す。
練習時間を少なくするチームもある中で、ベースで3時間から3時間半、長い時は4時間ぐらいやることも。高倉は「結構、量より質みたいな風潮があると思うんですけど、その中でもまずは量をやらないと。その量をやった後の先が質だと思う」とし、太田も「やっぱりきつい練習はあるけど、みんながそれに対してネガティブにならずに前向きにどんどん取り組めているから、こういう苦しい試合でも持っていけたりっていうのはあると思う」。何より「自分たちの方が絶対に相手よりもやってきた」という自信は終盤にかけてのチームのエネルギー源となっている。
決勝の相手は昨年に続き、昌平に決定。高倉主将は「やっぱり去年もこのインターハイの決勝で1-5で負けているのは、もう全員がその景色を見ているわけなので、そういった意味ではもう絶対に負けたくないですし、相手よりも自分たちの方が良いサッカーをして勝ちたい」と意気込みを語った。練習量も自信に変えて、強敵撃破で2019年以来となる夏の全国大会出場を目指す。
石黒登(取材・文)
試合結果
成徳深谷 0-1 西武台
0(前半)1
0(後半)0