[総体]浦和北、川口青陵を振り切り県大会へ!谷内監督「面白くしなきゃダメだなって」。今年もトーナメントを盛り上げる存在に
令和7年度全国高校総体サッカー大会埼玉県南部支部予選は6日に代表決定戦が行われ、浦和北と川口青陵が対戦。浦和北が1-0で勝利し、6月に開催される県大会の出場切符を獲得した。
浦和北は右SH千葉礼人(3年)が縦への突破やカットインなどで存在感のある動き。チームとして取り組む「アウトラインからのポケット」や「中央でのコンビネーション」を意識しながら千葉やFW瀬川祐樹(3年)のスルーパスからFW岡村拓郎(3年)が抜け出しを狙っていく。
川口青陵はなかなか前に出る機会を作れなかったが、アンカーの村山怜(3年)主将が広いスペースを埋めながら攻撃の芽を摘む働き。0-0で折り返すと、後半は一転攻勢に出る。2分、FW米田恵斗(2年)の右CKからFW安藤優翔(2年)がヘディングで迫り、4分には10番MF外舘瑠偉(3年)が競り、FW大沼礼音(3年)のシュートが相手に当たりわずかに左に外れた。
浦和北は直後の相手CKをGK真船蒼大(2年)が好セーブ。7分には左SBの新川桜大(3年)が狙っていく。どちらに先制点が生まれてもおかしくはない中で10分、ついにスコアが動く。
浦和北は相手のビルドアップを新川がひっかけると、スカウティングしていた相手の高いSBの背後のスペースに瀬川が侵入。「今日は打てる場面とかそんなになくて。だからもうとりあえず打っておこう」と右足を振ると、この試合自身2本目のシュートがゴールネットに吸い込まれた。
川口青陵は16分、FKからこぼれ球をDF関海音(2年)がダイレクトで狙うも惜しくも枠外。一方、浦和北も右サイドで千葉が個の力を見せ、29分には岡村がカットインシュートで迫る。終盤1点を取りにくる川口青陵に対し、浦和北はDF茂木陽人(3年)、DF久保田颯仁(2年)を中心に集中を切らさず、ハイボールにも真船が安定したプレーを見せて、1-0で制した。
谷内謙介監督は「やっぱりスカウティングのところで上手な子がいたり、速い子がいたりって特徴があるチームなので、こういうゲーム展開になるかなというところで、最後まで走り負けないようにねというところで良かったと思います」「子供たちが一生懸命取り組んでいるところで、得点に繋がったっていうところも含めてよくやってくれたかなと思います」と選手を讃えた。
試合前には「だいぶ良い感じになってきた」と話していたように、関東予選では1回戦でS1の正智深谷を相手に延長戦までもつれるゲーム(0-1●)。また、今年は激戦の南部支部1部の中でも大宮南、大宮東に勝利するなど3節を終えて、首位・国際学院に続く2位につけている。
今年のチームの鍵を握る千葉は「あとインハイと選手権しかない。本当に全部をそこにかけてやりたいですし、目標としてきたベスト8になんとしてでも入ってやりたい」と上位進出をにらむ。
県大会に向け、谷内監督は「うまくチームのコンディションも上げながら、リーグ戦もありながらっていうところですけど、やっぱり今度は強いチームに「惜しかったね、浦北」じゃなくて、やっぱりひとつ倒して、前監督(古市元喜・現武南コーチ)のところから勢力図を塗り替えるぞっていうところは常に目指しながら、面白くなったらいいかなと思いますし、面白くしなきゃダメだなっていうところは思っています」と意気込み。今年も浦和北がトーナメントを盛り上げる。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和北 1-0 川口青陵
0(前半)0
1(後半)0