[総体女子]“5トップ”がハマり、4得点。因縁カードは昌平が南稜にリベンジして決勝へ!終盤にはキャプテンのバースデー弾も

令和7年度埼玉県学校総合体育大会(高校サッカー女子の部)の準決勝が6日に行われ、惣右衛門公園会場では昌平と南稜が対戦。昌平が4-0で勝利し、10日に行われる決勝進出を決めた。

昌平は去年、南稜と準々決勝であたり、0-2で敗退。昨年も主力だったMF山田仁菜(3年)主将は「本当に悔しかったので、今年はもうどこが相手でも絶対に勝ちたいと思っていたんですけど、特に去年負けたので南稜には一番勝ちたかった」と臨み、今度は4発快勝でリベンジした。

3-6-1でスタートした昌平は松井美優(3年)、勝山あゆみ(3年)、福島沙羅メヘル(3年)、鈴木海音(1年)、菅野由珠(1年)とFWの選手5人を前線に並べる“5トップ”を実施。森田光哉監督も「作戦勝ちです」と話すように、この超攻撃的フォーメーションがピタリとハマった。

前半3分、勝山のクロスのこぼれ球を鈴木が決めて先制すると、松井がこの日も推進力のあるドリブルで牽引。16分には福島の左CKから鈴木海が右足ヒールで流し込んで追加点を奪った。

ルーキーの鈴木海はこの日が初スタメンだったという中でいきなりの2発。「とにかくゴールを狙おうと思っていたので入って良かったです」。19分にも抜け出しから、華麗な切り返しでDFを外し放ったシュートがゴールポストを叩き、ハットトリックかと思わせるシーンもあった。

後半もひとりひとりが技術の高さを見せ、ボールを繋ぎながら相手陣地に攻め込んだ昌平は9分、松井が右サイドをドリブルで持ち込み、クロスに勝山がダイレクトで合わせて3点目とした。

31分にはこぼれ球を山田がエリア外から右足でゴール右上隅に豪快に突き刺すゴラッソ。「絶対に決めようと思って、気持ちを込めて打ちました。いままでで一番強く打てたと思います」。準決勝が行われた6日は山田の誕生日。後半はボランチからトップ下に移動し、ゴールも狙っていたという中で嬉しいバースデー弾となった。ゴールの後には、応援団から「ハッピーバースデー、キャプテン!」と歌で祝福された山田は「本当に一番嬉しかったです」と言って笑顔を見せた。

南稜は10番MF高橋咲来夢(3年)主将をボランチに配置しつつ、昨年のようにまずは前半を無失点で守り切るプランだったが、早々の失点が重く響いた。室野竜吾監督は「立ち上がりのところでちょっとプランが大きく崩れたかなと。その後はよく0-2で耐えたと思うんですけど、難しかったです」と悔やむ。後半は高橋を最前線に移したが、この日はシュート0本に終わった。

昌平は昨年、新人戦で県初優勝を果たし、選手権予選も取ったが、この総体予選だけは取れなかった。そのタイトルまであと1勝。森田監督は「今日の勝ちも含めて、決勝に勝たないと何も意味のない試合になってくるので、しっかり勝ち切って、関東大会、リーグ戦や選手権に繋げていければ」。山田主将は「今日みたいに自分たちのサッカーをして勝ちたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 4-0 南稜
2(前半)0
2(後半)0