[総体]国際学院、3発完勝で県大会へ!関東予選ではV成徳深谷と接戦も… 状況、環境に左右されない力をつけて上位進出を狙う

令和7年度全国高校総体サッカー大会埼玉県南部支部予選は6日に代表決定戦が行われ、国際学院と上尾が対戦。国際学院が3-0で勝利し、6月に開催される県大会の出場切符を獲得した。

国際学院は開始直後にMF藤山幸也(3年)主将が後頭部にボールを受け、プレー続行不可になるアクシデント。予期せぬスタートとなったが、雨でぬかるんだコンディションとなった中、この日はFW伊澤亮祐(3年)をターゲットにボールを差し込みながら力強く敵陣に押し込んだ。

上尾は時に5、6枚と後ろに人数をかけながらブロック。奪ったボールをシンプルに跳ね返し、相手の攻撃力に対抗する。国際学院は14分、CKのこぼれ球を10番のFW渡邊脩斗(3年)がダイレクトで狙いに行くが、上尾はMF田口廉悟(2年)がスライディングでブロック。その後もDF佐多宥星(3年)、DF石根正士朗(3年)を中心に苦しい時間も跳ね返し続けていた。

その中で均衡が破れたのは30分だ。国際学院は相手ゴール前でDFの処理ミスを見逃さなかった伊澤がボールを回収すると「ボールは跳ねていたんですけど、早めにボールを収めて、ならして、もう自分の得意なコースに振り切った。あれは自分の得意なコースです」。切り返しでDFを外し右足でゲット。主将から腕章を受け継いだエースストライカーの一発で試合を動かした。

1-0で折り返すと、国際学院は後半5分、渡邊のFKからDF鈴木成(3年)が決めて追加点。さらに7分には伊澤のパスに抜け出した渡邊がループ気味に決めて3点目とし勝負を決めた。

酒井宏治監督は「前半に2、3点としなきゃ、相手にモチベーションがしっかりある状態で後半をやらなくちゃいけなかったですね」としつつ、「セットプレーでクリーンに入るシーンだけじゃない中でそういうのをものにできたらいいねという話をしていて、そういう場面で点を取ってくれたので、主導権を握ったままゲームができたと思います」と泥臭く奪った2点目を評した。

国際学院は先の関東大会予選で1回戦でのちに優勝した成徳深谷と対戦し、2-3で惜敗。フィジカルやアジリティなど身体能力に優れる相手に対し、前からのプレスや競った後のセカンドボールなど「自分たちがやること」を徹底し、2度にわたってリードしたが、警戒していた相手のセットプレーから2失点し、パワーが落ちた終盤に決勝ゴールを奪われて逆転負けを喫した。

ディフェンスリーダーの鈴木は「少ないチャンスの中で決められたっていうのは自分たちの自信になったんですけど、そういう強度の高い相手になると、運動量がやっぱり後半落ちてきちゃったので、そこはもっと高い強度の中で練習もやっていかないとダメだなと思いました」と話す。

酒井監督も「前半から60分間、このペースでやれればと思っているペースでやれなかったのがすごい残念だなと。まだまだ甘いって思うし、暑かったり、風は強かったり、雨だったり、状況、環境が違っても、最後の最後のところとか、それに+αっていうのをしっかりやっていかなきゃなと改めて思いました」。センターラインに昨年からの主力を多く残す有力代。自分たちのサッカーができている時はS1上位相手にも良い戦いができる中で、それを継続する運動量とこの日のような雨だったり、コンディションに左右されない力をつけて、トーナメントを勝ち上がる。

石黒登(取材・文)

試合結果

国際学院 3-0 上尾
1(前半)0
2(後半)0