[S1]成徳深谷が昌平Ⅱに3発快勝! 選手権後に目標を再設定、高いテンションで臨み前期0-4の相手に完勝

高円宮杯U-18サッカーリーグ2024埼玉1部リーグ(S1リーグ)第17節の残りが1日に行われ、暫定6位の成徳深谷は同2位の昌平Ⅱに3-0で快勝。勝ち点を25とし、5位に浮上した。

成徳深谷は先の選手権予選ラウンド16で西武台に0-2で敗退。涙を呑んだ。主将のMF稲積俊音(3年)も「すごいチームとして、選手権にかけてやってきた中で結構みんな落ち込んだり、自分も正直乗り切れないっていうか、モチベーションが上がらないこともあったんです」と話す。

それでも「瀧田先生からも「目標がない人間はモチベーションが続かない」と言われていたので、自分たちで残り3勝して悔いなく終わるっていう目標を立てて、そこからモチベーションを上げてこれた」。前期0-4で大敗した相手に、開始から良いテンションで臨み、完勝を飾った。

ボールを持って進めるのを得意とする相手に対し、前期も前から行く中で取り切れず、ドリブルで剥がされてリズムを作られたが、この日はたとえファーストで取り切れなくても、2枚目、3枚目と数的優位を作って回収。サイドの局面においても「うちの強みの同サイドではめるっていうことを共通認識として、しっかりサイドで限定して、サイドバックで奪うっていうところを徹底できた」と右SB増田蹴人(3年)が話したように相手に優位性を与えずに、ペースを握った。

守備でリズムを作ると前半32分に先制点が生まれる。左SB山谷康太朗(2年)のクロスからFW白川成夢(2年)がシュート。これはポストに弾かれたが、こぼれ球をFW川上稜介(2年)が沈め均衡を破るゴール。さらに34分にはCKのこぼれ球が再び、川上が蹴り込んで加点した。

後半もペースを握って進め、前半は2得点も「うまく突破できなくて、1対1とかもシュートまで行けないところが多かった」と話す川上が果敢に仕掛けてシュートまで持っていく。中盤では「ネガティブになったら勝てる試合も勝てない。その雰囲気作りはすごい、今日の試合だけじゃなくて、いままでの試合も意識してきた」という稲積が声に、プレーにチームの屋台骨を支えた。

29分には中盤でボールを浮かしながら、うまくDFと入れ替わって侵入した白川がエリア手前で横パス。これをFW頓宮琥太郎(2年)がきっちりと決めて、勝負を決める3点目を奪った。

一方、逆転タイトルに向け、どうしても勝ち点が欲しい昌平Ⅱは、なかなかいつものようなサッカーができずに苦戦。右SB徳山逸(2年)や途中出場のMF山本脩藍(1年)がゴールを狙ったが、最後までネットを揺らすことはできずに敗れ、2年ぶりのリーグ制覇とはならなかった。

次節はリーグ最終戦だ。今年は関東予選準優勝にも大きく貢献した稲積主将は「今日もやっていて、自分は嵌められない相手はいないなと思うくらい、いま本当に自信があるので、武南もしっかり前から行って、自分たちのスタイルを貫いて最後出し切りたいですね」「残っている仲間とか、いままでやってきた人たちの分もなんとしても勝って、最後ぐらいは笑って終わりたいですよね」とし、副将の増田も「もういままでやってきたのをすべて武南にぶつけて、絶対に勝てるようにやっていきたい」と意気込み。集大成の最終節ですべてをぶつけて、連勝で笑顔で締める。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平Ⅱ 0-3 成徳深谷
0(前半)2
0(後半)1