1位2位対決は正智深谷が首位・聖望学園に勝利! 勝ち点「3」差に迫る 得点への意識向上、10番MF近藤七音が勝ち越し弾&決勝アシスト

21日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2023埼玉1部リーグ(S1リーグ)第14節が行われ、1位・聖望学園と2位・正智深谷の注目の上位対決は打ち合いの末に5-3で正智深谷が勝利した。

残り5試合で勝ち点差は「6」。この直接対決で負ければ優勝が厳しくなる中でMF大和田悠(3年)主将も「もう一番、全部やりきったぞっていうくらいミーティングをしまくって、練習もみんなでやるぞっていう雰囲気でできたのが勝因」と話す正智深谷がタイトルへの執念を見せた。

初優勝に向け首位を走る聖望学園はこの日も今年のチームのストロングであるセットプレーからゲームを動かす。前半10分、MF遠藤浬(3年)が左CKを直接ネットに運んで先制した。

逆転タイトルに向け、勝利が絶対条件の正智深谷にとっては痛い失点。それでも「失点した瞬間、みんな勝つしかないとわかっていたので、気持ちを切らさずにプレーできた」(大和田)。するとその3分後、DF鹿倉颯太(3年)の右CKから大和田がニアサイドで合わせて同点に追いつく。

さらに25分にはエースが輝きを放つ。エリア左でボールを持った10番のMF近藤七音(3年)は「前の自分だったら多分サイドへのパスを選択していたんですけど、結果を残さないとダメだっていうのと、やっぱり今日みたいな試合では自分が決めないとダメなので、もうシュートしか考えていなかったです」。外側では鹿倉がボールを呼び込んでいたが、シュートを選択。果敢に振り抜くと、シュートはゴール右隅に突き刺さるゴラッソとなり、正智深谷が逆転に成功した。

勢いに乗る正智深谷は後半2分、FW渡辺拓海(3年)が決めて3点目。12分には「最初はシュートを打とうかと思ったんですけど、あそこでシュートを打つのはみんなが思うこと。ディフェンスが一番サイドを見えていなかった」と話す近藤がドリブルで運び出しながら意表を突く浮きパスを通す。これに抜け出した右WBの長南結人(2年)が右足ダイレクトで打ち抜いた。

一方、聖望学園も16分、左SB吉岡洸晟(3年)のクロスから逆サイドのDFペイトン有玖主(3年)がゴール。さらに33分にはMF小山晃也(3年)がゴールに沈めて1点差と迫る。

それでも正智深谷は49分、途中出場のFW宮田多聞(3年)がMF赤川空音(3年)のクロスにニアサイドに走り込んでヘディングで沈め、相手の反撃ムードを断ち切る5点目とした。1位、2位の直接対決は5-3と振り切った正智深谷が勝ち点3を獲得し、その差を「3」に縮めた。

近藤は大一番で勝ち越し弾&決勝アシスト。「前期はアシストの方が多くて、あまり得点はできなかった。そうなってくると上の相手になった時に試合を決めきれない。最近はもうシュートばかり狙ってます」という10番が逆転でのリーグ連覇へ、大きな1勝をもたらす原動力となった。

石黒登(取材・文)

試合結果

正智深谷 5-3 聖望学園
2(前半)1
3(後半)2