[高校女子]川口市立が9発快勝で準々決勝へ! 総体予選で初Vもチームに慢心なし「チャレンジャー」として再び県の頂点へ

令和6年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会9月1日に3回戦が行われ、川口市立は浦和一女と対戦。DF小磯遥香(3年)主将がミドルシュートから2得点を奪うなど9-0で快勝した。

インターハイ予選覇者が強さを見せた。「立ち上がり5分で試合を決めよう」(小磯主将)と臨むと前半1分、こぼれ球をMF武井千優(3年)が流し込み先制。3分には右SBの齋藤真優(3年)のクロスにMF長谷川成美(2年)が左足アウトサイドのボレーで合わせて追加点とした。

8分には左SB小磯遥香(3年)主将が逆足の右足で突き刺して3点目。その後も相手コートに押し込みつつ、右MF原葵子(2年)が何度もサイドを抉りながら好突破を連発。そこでCKを獲得し、23分には小磯の右CKからCB星春那(2年)が頭で沈めてリードを4点に広げた。

後半も勢いを落とさずプレーし、早々にFW村上海来(2年)のクロスからFW宮島加奈絵(2年)が沈めると、2分にはショートコーナーから小磯が左足を振り抜いてネットを揺らした。

小磯はこの日2ゴール。現在はSBだが、もともと高校入学時は攻撃的なポジションの選手で「やっぱり得点に対する執着っていうのは後ろになっても誰よりもありますし、点を取りたい気持ちはめちゃくちゃあるので、点に絡めるのは最低条件」と話す頼れる主将がチームを牽引する。

その後もメンバーを入れ替えながらも、「味方の足の速さとかプレースタイルは結構理解しているつもり」と語るアンカーの武井が味方のトップスピードを生かすスルーパスなどでアタックをリード。11分、10番MF田中南帆(3年)のスルーパスからMF廣井杏朱(2年)が抜け出し右足でゲット。13分にはコーナーキックの混戦から宮島がこの日2点目を決め、15分には小磯の右CKから村上がヘディングで沈め、大量9得点が生まれたゴールショーを締めくくった。

金沢学監督は「もう次戦が準決勝で強敵なので、立ち上がりからとにかく厳しく、やらせるなと。もう1本も蹴られるなくらいの勢いで潰しにいけ」と試合前に伝えたという。春先の試合では相手に簡単にクリアを許してしまうシーンもあった中で、この春、夏は敵陣で潰しにいく守備にもこだわり。終盤は運動量が落ちた部分はあったが、ほとんどの場面で相手に何もさせなかった。

今年は総体予選を制し、県大会初優勝を果たしたが、チームのスタンスはあくまでもチャレンジャー。金沢監督は「完全に自分たちの力で勝ち取ったとは思っていないですし、いろいろな別の大会を見ても圧倒的に昌平の力が強いのはわかっている。春は南稜が昌平を倒してくれたっていう流れがある中でもう一回、決勝で昌平とやるために、その試合を見たいなということでやっているので、実際試合はやってみないとわからないですけど、本人たちは当然、向こうは上がってくると思っているので、そこでどういう試合をするかっていう形でずっとやってきたので、チャンピオンチームのプレッシャーとか、そんなのは一切始めから考えていないです」と話す。

主将の小磯は「選手権はやっぱり全国にも繋がっているので、決勝まで簡単な試合はないですし、難しい試合ばかりだと思っているんですけど、自分たちは新人戦の準決勝で昌平に負けて3位という結果で終わってしまったので、やっぱり昌平と当たって優勝して全国大会に行きたい気持ちは強い。昌平にリベンジできる最後の大会でもありますし、3年生は本当に負けたら終わりの大会なので、勝って終われたらなと思います」と意気込み。今年は初の関東リーグでも力を見せる強敵・昌平にリベンジし、再び埼玉の頂点に。そのためにもひとつひとつ階段を駆け上がる。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口市立 9-0 浦和一女
4(前半)0
5(後半)0