[学総]県優勝経験校同士の一戦は伊奈小針中がPK戦の末に勝利!「負けない心」を大事にする守護神が勝利手繰り寄せる
令和6年度学校総合体育大会中学校サッカーの部が20日に各地で開幕し、1回戦が行われた。伊奈小針中とさいたま土合中の一戦は、2-2からのPK戦の末に伊奈小針中が勝利を収めた。
ともに県での優勝経験(さいたま土合中:平成24、28年度新人大会、伊奈小針:平成29年度新人大会)のある実力校同士の対戦となった初戦の注目カードは伊奈小針中に軍配が上がった。
伊奈小針中は前半、「しっかりゼロで抑える」ことを意識。相手の出方を見つつ、まずは守備から入った中で12分に先制点を奪う。MF川久保大輝(3年)のスルーパスに抜け出したMF榊原渓斗(3年)は「ファーストタッチが結構うまくいって。ディフェンスが来ていたのでニア上を狙ってシュートしたら良いところに入りました」と右足を思い切り振り抜いて均衡を破った。
26分にはエリア左で左SBの石田光(3年)が相手ディフェンスに果敢にプレス。ルーズボールを回収した榊原が冷静に右足のコントロールシュートでこの日2点目を奪ってリードを広げた。
一方、前半は相手コートで進める時間を多く作りながらも、得点を奪えなかったさいたま土合中もこのままでは終わらない。後半9分、MF波田野創太(3年)のスルーパスに走った10番MF藤田來芯(3年)主将が右足で流し込み1点を返すと、クーリングブレイク明けにも波田野が2度、決定的な場面を迎えたが、いずれも伊奈小針中の守護神・栗城颯(3年)が立ち塞がった。
後半ロスタイムも終盤となった中でさいたま土合中は37分、レフティのDF大友颯士(3年)が右コーナーキックを直接ゴールネットに突き刺して直後に笛。劇的な形で同点に追いついた。
大会規定により、試合はPK戦に突入。伊奈小針中は栗城が魅せた。後半は2失点を喫したものの、それ以上に1対1で相手の決定機を阻止していた守護神は「予測を意識した」と話す後攻の相手の1本目を残した足でストップ。「もし失点しても次があるっていう、そういう意識があれば止められると思う」と「負けない心」を大事にしている栗城のセーブがチームに勇気を与えた。
最後となる4人目のキッカーを務めた榊原は小6の時に土合少年団が主催する「土合カップ」決勝で決めれば勝ちというPKを失敗。今回も当初は5人目のキッカーを務める予定だったが、「負けて終わるのは嫌だなと思った」。再び決めれば勝ちという4人目に登場するとあの時と同じ、真ん中にしっかりと蹴り込んでリベンジ。伊奈小針中が激戦を制し、2回戦進出を決めた。
石黒登(取材・文)
試合結果
伊奈小針中 2(4PK1)2 さいたま土合中
2(前半)0
0(後半)2
4(PK)1