[高校女子]埼玉栄、浦和西に逆転勝ちで16年ぶりのベスト4! PK戦では2年生GKオスンデーが3本セーブしヒロインに
高校女子の令和6年度学校総合体育大会埼玉県大会の準々決勝が3日に行われ、埼玉栄と浦和西が激突。埼玉栄が1-1からのPK戦の末に勝利し、16年ぶりとなるベスト4進出を決めた。
総体予選での4強は2008年以来、実に16年ぶり。村田雄監督は「やっぱりまずベスト4に入りたいっていう目標の中での活動だった。試合の入りから緊張していて、やっぱり苦しい試合になりましたけど、最終的にはもう頑張ってやり抜いてくれた」とまずは選手たちを労っていた。
先行したのは浦和西で引水前の前半16分、MF夏井佑菜(1年)のカットインから10番FW藤本一花(3年)がワンタッチで繋ぎ、MF水野優実(2年)が丁寧にアウトサイドでスルーパス。これに抜け出したMF岡田ゆら(3年)が右足でキーパーとの1対1を沈めて試合を動かした。
一方、埼玉栄も10番のMF土岐眞琴(3年)がボールを運び出しながらリズム。後半は「基本的には気持ちの勝負になるからっていうところで気持ちを前面に押し出していきましょうと。あとは細かいところの関わり方とかを話して、最終的には良い形で点を返してくれた」(監督)
埼玉栄は5分、土岐が相手のバックパスを狙い澄ましてカットすると、そのまま持ち出して左サイドを走ったMF小山陽菜乃(1年)にパス。これを指揮官も「多分、今日は点を取るから」とアップの時から伝えていたというレフティが思い切りよく振り抜いて突き刺し、同点とした。
試合は延長戦に突入。延長でもそれぞれ決定機を作ったが、決めきれず、PK戦にもつれ込んだ。
するとこの日の主役となったのは埼玉栄GKオスンデー・エソヘ果流(2年)だった。「前半自分のミスから失点してしまったんですけど、その後、みんながそのミスを失敗とは捉えずに、そこから新しくどう攻めたら点数が取れるかっていう試合展開の切り替えをしてくれたので自分も余裕を持つことができた」と仲間に感謝する2年生キーパーは「自分は止めることしかできない。キーパーコーチからはとりあえず待てと。待って蹴ってからでも大丈夫だと言われていた」。
その言葉通り、1本目、2本目を相手が蹴るまで「待って」連続ストップすると、3本目は待ちきれず決められてしまった部分もあったが、「信じていた」と話す味方が3本連続で成功し迎えた4本目、「最後の1本もちょっと動きすぎてしまったんですけど、真ん中だと思って手を出して、とにかく入れさせないって言うのを徹底した」。この日3本目のストップでゲームを締めたこの日のヒロインは「PKは練習でそんなにやってこなかったので、実際にどういうふうな展開になっていくかわからなかったですけど、まず1本目を止められたことが大きかった。(仲間が駆け寄ってきて)テレビとかで見ていた光景なので、本当に嬉しかったです!」と笑顔を見せた。
石黒登(取材・文)
試合結果
花咲徳栄 2-0 本庄第一
0(前半)0
2(後半)0