平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選3回戦 川口 vs 川口北
平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選3回戦。RHF駒場グラウンドで行われた川口北高校と川口高校の一戦は、前半を1ー0で折り返した川口北が後半12分からの7分間で一気に3得点と勝負を決めて4ー0で勝利。川口北は準々決勝で浦和北高校と対戦する。
「前半失点せずに逆に綺麗な形から取ることができた。あれがすべてだったような気がします」と川口北・森田洋正監督。序盤は互いに主導権を握り合う展開の中、スリッピーな面でのディフェンスで苦しい展開を強いられたが、この時間帯を凌ぐと前半最後に先制点を奪った。
前半37分、ボランチの市塚友基が「強さ、コースと全部がイメージ通り。自分でも驚いています」というサイドチェンジを右サイドバックの松嵜弘樹に通す。松嵜はそこから一気にスピードアップして中にクロスを入れると、ニアでFW金山栄翔が潰れて、最後はMF大谷知馬がゴールに流し込んだ。苦しい時間帯での先制点に「結構大きな1点だったと思います」。
この1点で流れを掴んだ川口北は後半一気に勝負を決めた。12分、大谷のシュートがクロスバーに当たってこぼれたボールにFW森山魁斗が反応するとキーパーを冷静にかわして2点目。さらにその3分後にはショートコーナーから「キーパーのポジショニングがちょっと前に出ていた。ファーを狙って打ちました」と大谷が角度のないところから巻き込んで加点した。
後半18分にはフリーキックを獲得すると、大谷のキックに「あれはボールが良かったので当てるだけでしたね」と市塚が打点の高いヘディングでゴールに流し込んで4点目。その後も選手を変えながら最後まで攻撃を仕掛け続けた川口北が4ー0で勝利してベスト8に進出した。
「今年の代はすごく元気が良くて明るい。笑う門には福来るじゃないですけど、いい意味で楽観的というかポジティブシンキング。だからそういう勢いはあるんですよね」と森田監督。2回戦の開智中高戦では後半一気に5ゴール、そしてこの日も7分で3ゴールと爆発力はある。
また指揮官が評価したのがヘディングでのゴール。昨年はセットプレーからの点はあまりなかったという中で今大会では2戦連続のヘッドでの得点。「足元だけじゃなくヘディングで点を取ろうというのは課題にしてきた。苦しい試合になってもセットプレーさえ取れば、ヘディングで点を取るチャンスがあるというのは自信になる」と新しい得点パターンに期待を寄せる。
この日頭で4点目を記録した市塚も空中戦を得意とする。「コーナーも自分に来たら得点できる自信もあります」。今年は市塚以外も180cm台の選手、身体の強い選手が多いのも強み。
またそれを可能にするのが7番・大谷の存在。この試合は4点すべてがその右足を経由してのもの。「自分の一番の長所だと思っている。キックだけはいつも練習しています」(大谷)。
次戦は関東予選出場をかけて浦和北と対戦する。「去年は立てなかった舞台なので、またみんなで気持ちを入れて次の一戦に臨みたい」と主将の大鐘勇志。またチームとしてはその先も見据える。大谷は「僕たちが目指しているのは南部で1位なのでそこはブラさずに次も勝って、準決勝、決勝も勝って1位になりたいと思います」と南部制覇に向けて意気込んだ。
石黒登(取材・文)
試合結果
川口 0-4 川口北
0(前半)1
0(後半)3