正智深谷、PK戦で聖望学園を下し関東大会へ!多くの公式戦を戦いながら「安定した力」に

関東高校サッカー大会埼玉県予選の準決勝が27日に埼玉スタジアム第2グラウンドで行われ、2大会ぶりの優勝を狙う正智深谷は1-1からのPK戦の末に勝利し、本大会出場を決めた。

先行したのは聖望学園でFW太仲貴哉(3年)、FW増本怜音(3年)の2枚にボールを入れながら攻撃の糸口を探ると15分、MF小山晃也(3年)のフリーキックをキーパーが捕球しきれなかったところをDF武田渉晟(3年)が詰めて、この試合最初のチャンスをゴールに繋げた。

正智深谷は前半、相手コートで押し込んで進めたが、フォワードに入った時のサポートやディフェンスの背後を取る動きが少なく、なかなかゴールに迫りきるところまで入っていなかった。

ハーフタイムには「前に行くこと」「シュートを打つこと」を共有。後半4分には10番MF近藤七音(3年)がドリブルで運び出し、FW中島亜漣(3年)のシュートがクロスバーを叩く。また、19分から投入されたMF栗原エイト(3年)が起点となり左サイドからの形を増やした。

すると30分、栗原とのパス交換から左SBの鹿倉颯太(3年)が抜け出し。一度はディフェンスに前に入られたが、諦めずに残しクロスを上げると、これに「鹿倉からのクロスはもう絶対ここだなと。信じてそこに飛び込んだ」と語るMF白岩龍(3年)が豪快にヘディングで奪った。

延長戦でも攻め続け、後半5分にはFW高野大輝(3年)がカットインからのシュートで迫り、終了間際にも中島が抜け出し決定機を迎えた。ここで刺しきることはできなかったが、PK戦では「もう止めるしか思っていなかった」GK森穂貴(3年)が相手の2本目をストップ。その後互いに2本ずつ外したものの、正智深谷がPKスコア3-2で勝利し、関東大会出場を決めた。

2点目を決めきれなかったこともあり、小島時和監督は「チームとしてもまだまだだなっていう、そんなところなんですけど、とにかくこういうところに来ると、そういうことよりも勝つためのメンタルになってくる。そういうところではみんなで団結して発揮してくれたと思う」と話した。

「やっぱり関東レベルで経験できるのは大きいと思うし、プリンス昇格や選手権、インターハイに向けて、とにかく数多く公式戦を経験して、関東大会も含めて、その経験で成長していくものだから、たくさん試合できるように頑張れと。だから別に関東大会に優勝するとか、関東に出るっていうのは目標じゃねえぞ、っていうことはみんな子供たちもわかっている。でも、ある意味でここはしっかりと勝って、たくさん経験していくことが大事だっていうことは言っています」

その中で「こういうPK戦で勝つ、負けるでも全然違う。そこを引き寄せたのは彼らの力がついてきている証拠」。先を見据えつつ多くの公式戦を戦い、これを「安定した力」に変えていく。

より高いレベルで経験を積むためにも決勝も勝って2年ぶりの優勝を果たし、第1代表として関東本大会に臨みたいところ。近藤は「やっぱり決勝は難しい試合になると思うんですけど、自分たちの強みをしっかり出して、落ち着いた試合にして、自分が決めて勝ちます」と力を込めた。

石黒登(取材・文)

試合結果

正智深谷 1(3PK2)1 聖望学園
0(前半)1
1(後半)0
1(延前)1
0(延後)2
3(PK)2