聖望学園がセットプレー4発で開幕戦を制す! 市立浦和は後半1点差に迫るも黒星発進

高円宮杯U-18サッカーリーグ2024埼玉1部リーグ(S1リーグ)第1節が7日に行われ、聖望学園と市立浦和の一戦は合計9得点が生まれる乱打戦の末に聖望学園が5-4で競り勝った。

聖望学園は前半、前線からのプレスでうまくはめ込みながら相手のビルドアップを分断。そのうえでロングボールにもアンカーの位置に1枚余らせる状況を作りつつ、MF野元里晟やMF小山晃也(ともに3年)が回収して連続攻撃へ繋げ、そこで得たセットプレーからゴールに迫った。

すると前半14分、聖望学園はDFペイトン有玖主(3年)のロングスローからの混戦をDF武田渉吾(3年)が胸でワントラップし、右足を振り抜いて突き刺して今季チーム初得点を挙げた。

さらに聖望学園は23分、野元の右コーナーキックからこぼれ球をFW太仲貴哉(3年)が決めて追加点。40分には再び野元のコーナーキックからFW増本怜音(3年)が詰めた。「今年は例年よりちょっとサイズ感があるので、セットプレーでのチャンスは増えてくると思う。よりそこでの強みは出していきたい」(監督)。自慢のセットプレーから3得点を叩き出して前半を終えた。

後半の立ち上がりも聖望学園ペースでゲームは進み、6分には小山がMF原嶋佑哉(3年)の落としを決めると、11分には連続して良い攻め上がりを見せていた左SBの吉岡洸晟(3年)がエリア内で倒されてペナルティキックを獲得。これを自ら沈めてリードを5点差にまで広げた。

一方、市立浦和も後半の立ち上がりから、新人戦でも活躍したスピードスターのMF横井葵(3年)や10番のMF高橋隼(3年)を投入。さらに右SBで先発した田中悠真(3年)を最前線に移し、攻撃型シフトへ。ボランチに入った高橋が前向きでボールを持ちながらリズムを作る。

そして13分、エリア左斜め前で獲得したフリーキックを高橋が右足のスピードボールでゲット。18分には高橋を起点とした攻撃で横井のクロスをMF山崎倖汰(3年)が頭で合わせて続く。

25分には田中が果敢にプレスをかけキーパーのキックミスを誘発。これを拾った山崎がしっかりとゴールに流し込む。市立浦和は後半10分以降、完全にゲームの流れを掌握。新人戦準々決勝の昌平戦でも5-1から1点差まで迫るなど、スイッチの入った際の攻撃力を持っているチームは31分、クロスにMF千葉琉生(2年)がダイレクトで流し込んでついに1点差まで迫る。

それでも最後は聖望学園がこの1点を守り切り開幕戦勝利。山本昌輝監督は「前半セットプレーから3点取れて、後半はとにかく10分間は強度を落とさないでやろうと言っていた中で2点取れたのは良かったと思うんですけど、そこで使い切っちゃったのか、少し油断が出たのか。市立さんもちょっと隙を見せれば畳みかける力はあるので、そこを突かれたかなっていう感じはあります」。大量リードが逆にゲームを難しくしてしまった側面はあったが、「その中でも勝ち切れたのは大きい」とDF菅野陸斗(3年)主将はまずは勝利で終えたことに安堵の表情を見せた。

「フィジカル的にも身体が強い選手が多い学年。テクニカルな部分はちょっと例年より劣る部分はあるんですけど、その分、タフに戦うとか、身体を張るとか、そういったことは例年よりもできるので、勝負強いチームになっていくんじゃないかっていう手ごたえはあります」(監督)

この春は「オーシャンカップ」「日体リーダーズカップ」「柏スプリングカップ」と招待大会3大会で優勝するなど結果も残し、自信も深めている。次週から始まる関東予選へ、小山は「本気で狙っている」と話し、野元も「もう優勝しか見ていないし、昌平と西武台が出ていない中でそこは絶対に勝たないといけないと思う。一戦一戦集中してやっていきたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

市立浦和 4-5 聖望学園
0(前半)3
4(後半)2