“3年計画”最後の年 昨年からの主力が多数残る「2年目」の花咲徳栄、まずは新人戦で4強入りを狙う!

令和5年度高校サッカー新人大会・東部支部の決勝が3日に行われ、花咲徳栄と春日部が激突。花咲徳栄が1-0で勝利し、2年連続の優勝を飾った。両校は10日開幕の県大会に出場する。

花咲徳栄は前半18分、エリア内でディフェンスを背負ったFW西尾優輝(2年)が「あそこは自分が決めると強く意識していて、もうゴールしか見ていなかった。相手に当たってもいいと思って振り抜いた」と、ストライカーらしい本能で、鋭くターンして右足でネットに突き刺した。

その後も花咲徳栄は後方から組み立て、CB佐藤啓太(2年)主将のフィードやMF齋藤龍冴(2年)の展開から押し込んで進めたが、なかなか相手の堅守を破り、追加点を奪うことができない。

逆に春日部は粘り強く守りつつ31分、カウンターからFW大堀虎太郎(1年)が放ったシュートがポストに。奪ってからのシンプルな攻撃を意識しながらMF角田朝陽(2年)が運び出してチャンスメイク。38分には相手陣地で奪い、大堀のパスから抜け出した角田がゴールに迫った。

花咲徳栄は後半も攻め続け、MF大山輝(2年)や途中出場のDF石原昌悟(2年)のクロスからゴールを狙ったが、「クロスボールの質とか、中の入り方とか、人数をかけるところをかけられなかったりしたので、そこはもっと練習でみんなでハードワークしてやっていかないといけない」(西尾)。勝利はしたものの、前後半併せてシュート15本で1点と課題も残る形となった。

この日はけが人も復帰し、新チームで初めてベストメンバーで臨んだ中で要所で噛み合わない部分も。また、個での崩しに傾倒するあまり、チームとしてのバランスを崩す部分もあった。

金子豊監督は「ひとりひとり個性がある中、個人で主張するのか、チームとして主張するのか。みんながそれぞれチームを底上げするためにどうしたらいいかっていう役割をしながら、自分の長所を生かせるように、人の長所を出してあげるというのをやらないと」と繋がりを求めた。

今年のチームは昨年からの主力がほとんどで、新体制に移り変わったばかりの他チームと違い、「2年目」というのは現段階でひとつストロングポイント。10番のMF仲山陽(2年)や西尾は元Jリーガーの指揮官が高く評価する選手たちだ。また、「自分が監督になって、この代から選手を取り始めて、今年が3年計画最後の年なので、ここで結果を残したいなと。ベスト4以上を狙いにいきたいというのは子供たちに言っている」というように結果を求めていきたい代。

選手たちも今年は、と意気込む。西尾は「自分の夢はスタジアム。みんなでパワーをつけて、最後素晴らしいところでできたら」とし、「新人戦ではまず初戦を勝って流れを作って、ベスト4にいけるように頑張りたい」。仲山は「県大会で決勝まで行けるように。あとはやっぱり一番大事なのは選手権なので、その選手権で優勝して埼玉の代表として全国に出たい」と力強く語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

花咲徳栄 1-0 春日部
1(前半)0
0(後半)0