逆転優勝へ、昌平Ⅱが武蔵越生に5発大勝! 最終節・首位正智深谷との直接対決勝利でS1連覇が決定できる状況に

23日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2023埼玉1部リーグ(S1リーグ)は第17節を行い、逆転での優勝を狙う2位・昌平Ⅱは5-0で6位・武蔵越生に勝利し、勝ち点を35に伸ばした。

昌平ⅡはU-17日本代表のMF山口豪太(1年)が左SHでスタメン出場。その山口がいきなりスコアを動かす。前半14分、自身が起点となった攻撃から右SB松村優成(3年)のグラウンダーのクロスがディフェンダーに当たってこぼれたところを左足のダイレクトボレーで沈めた。

その後も昌平ⅡはMF中松陽太(2年)が中盤でゲームをリードしながら山口、右SH玉田陸翔(3年)の両翼やFW平叶大(3年)の抜け出し、ポストプレーを起点にゴールに迫る。一方、武蔵越生もGK田中然(3年)が安定したセーブを見せるなど、最少失点で耐え前半を終えた。

昌平Ⅱは前半、押し込みながらもサイドで仕掛けきれない場面もあり、少し停滞している部分もあった。後半は選手権予選決勝でもゴールを決めたMF三浦悠代(2年)とFW齋藤結斗(1年)を投入。「サイドに開いて1対1でチャンスを作っていこうと思っていた」という三浦がクロスに、1対1に、前半以上にゴールを目指して果敢に仕掛けると、ゴールラッシュが始まった。

5分、三浦の左クロスから10番FW工藤聖太郎(3年)がヘディングで決めて口火。22分にはドリブルで持ち出した三浦がエリア左でディフェンスを少しずらし、右足で流し込んでみせた。28分には再び三浦のクロスからトップにポジションを移した期待の1年生FW齋藤がヘディングで流し込むと、43分にも連続攻撃から最後は齋藤が右足で叩き込み5点目とした。ディフェンス陣も腕章を巻くCB坂和飛空(3年)を中心に安定した守備で抑え、5-0で快勝した。

前節、午前の試合で首位の正智深谷が武蔵越生に3-0で勝利したことにより、正智深谷は最終節を残して勝ち点39に。昌平Ⅱはこの時点で3節を残していたものの、逆転優勝へは最終節の正智深谷との直接対決を含めた3連勝と得失点差9を覆すという難しいミッションが課された。

それでも「別にそんなにへこむことはないですし、逆にまだ自分たちの力で1位になれるっていうのはあったので、そこはもう絶対に勝ってやろうというふうになった」(三浦)。その日の午後に行われた武南戦を4-1で勝利すると、前節に続きプレミア組の応援もあったこの日も複数得点での勝利が求められた中で後半に4発を加えて5-0で快勝。「9」あった得失点差も「1」まで縮め、最終節の正智深谷戦は点差に限らず、勝利すれば逆転連覇が決まる状況を作った。

工藤は「前半から相手の気持ちを折って、後半も圧倒して勝ちたい。来年、2年生たちにプリンス2部で戦ってほしいので、そのためにも自分が引っ張って頑張りたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

武蔵越生 0-5 昌平Ⅱ
0(前半)1
0(後半)4