得点力向上で1次予選は2試合10ゴール この夏の成長示し8強入り狙う山村国際

いよいよ10月8日より「第102回全国高校サッカー選手権大会 埼玉県大会」が県内各地で開幕する。予選免除の県リーグ組はもちろん、1次予選から勝ち上がった23校の活躍にも注目だ。

山村国際はこの夏の経験を成長に、ベスト8入りを狙う。代表決定戦の志木戦では前半18分、コーナーキックからカウンターを受けたが、後ろでしっかりとカバーして跳ね返すと、展開から10番のMF遠藤倖成(3年)のクロスをキャプテンのCB 山田悠太(3年)が決めて先制した。

その後も攻め続け、32分にパス交換からMF大野翼(3年)のラストパスをMF齋藤陽輝(3年)が決めて追加点。42分にはこの日振り抜く意識が高かったFW原口拓弥(3年)のシュートをキーパーが弾いたこぼれ球を原口自ら繋ぎ、最後はMF横倉拓茉(2年)が流し込んだ。

後半も山村国際ペースで展開。相手に疲れの見え始めた終盤には遠藤が魅せる。25分、原口のシュートのこぼれに詰めると、その2分後には山田のアーリークロスから右足に持ち替えて奪った。さらに終盤には「自分の得意なコースで、絶対に入るなと思った」と素早いボディーフェイクでディフェンスを外し、腰をひねりながらネットに突き刺してハットトリックを達成した。

志木も終了間際、セットプレーからDF井上涼太(3年)主将が決めて意地の1点を返したが、反撃もここまで。6-1と大勝した山村国際が4大会連続の2次トーナメントにコマを進めた。

夏前は「得点力のアップ」を課題に挙げていた中で、1次予選は2試合で10ゴールを挙げた。高田優二監督も「得点はかなり取れるようになってきた。スピード、スタミナ、パワー的な部分はもちろん、戦術的な部分での理解力も高まってきている」と語る。この夏はサザンクロスカップで準優勝を飾るなど、フェスティバルでも結果を残しながら成長することができたという。

その上で上位進出を目指すためにも、県リーグ勢にどう打ち勝っていくかがテーマ。インターハイ予選ではひとつ勝ったものの、2回戦はS1勢で同大会準優勝の浦和南に0-5で敗れた。

攻守で絶対的な高さを見せる山田は「浦和南戦は前半の連続失点がきつかった。守備面は基本に忠実に、チャレンジ&カバーだったり、クリアの位置だったり、カバーの距離だったり、そこを意識して全体でやっているので強くなっている」と話す。目標はインターハイ予選同様にベスト8進出&スタジアムでプレーすること。S2リーグ所属の大宮東との1回戦がその試金石となる。

石黒登(取材・文)