師弟対決を制し、県大会の舞台へ 目標の「ベスト8」目指しひとつずつ 南稜

いよいよ10月8日より「第102回全国高校サッカー選手権大会 埼玉県大会」が県内各地で開幕する。予選免除の県リーグ組はもちろん、1次予選から勝ち上がった23校の活躍にも注目だ。

南稜は1次予選代表決定戦で川口北と対戦。この日ファールでしか止めることが出来なかったFW津田諒太(2年)らスピードのある選手を中心に相手の背後を取りながら攻め込むと、9分にMF武村篤(3年)の仕掛けからのクロスをMF佐久間翔太郎(2年)が決めて先制した。

その後も「すごい調子が良かった」と話す、津田が出色のパフォーマンスでアタックを牽引。25分には再び武村の横パスから今度はFW福島悠介(2年)が対角のコースに突き刺し加点した。

川口北も37分、MF丸田開聖(3年)が直接FKを沈めて1点差と迫るが、南稜は「ここに照準を合わせ、守備の掛け声や奪う場所を決めてそこで取り切ることをやってきた。ひとつひとつ積み上げてきたものが出た」と話すMF米村和平(2年)、佐久間のボランチコンビが変則的な動きを見せる川口北MF磯結斗(2年)をケアしながら最後までゲームをコントロールした。

南稜は今年から新体制となり、昨年まで7年間コーチを勤め上げた横山晃一監督体制に。横山監督は市立浦和の出身で、川口北の池田一義監督とは師弟関係だ。「監督同士での対戦は初めて。指導者としては絶対に越えられないんですけど、でも南稜は負けないぞと、選手の方は負けないぞという気持ちで選手がよくやってくれた。監督として臨む選手権で、その県大会決めの代表決定戦が川北だったっていうのは本当に忘れられない試合になった」と感慨深そうに振り返った。

守備面ではバランス能力があり、ビルドアップに関わっていけるGK高橋竜之介(3年)、そしてやはり前線では「ストライカーとしての気概を持っている」と指揮官が語る津田が鍵を握る。

チームの目標は「ベスト8」。そのためにも「まずは初戦から目の前の試合をしっかりと勝っていくこと」とDF秋山一輝(3年)は話す。スタジアムを目指し、まずは初戦の越谷東戦に臨む。

石黒登(取材・文)