途中出場のMF阿部瑞が劇的FK弾、昌平が初の関東大会へ!「昌平のスタイル」で躍進を目指す
令和5年度高校女子サッカー選手権大会の準決勝が16日に鴻巣上谷サッカー場で行われ、昌平と南稜が激突。終盤までもつれた中で昌平が1-0で南稜を下し、初の関東本大会出場を決めた。
「苦しいゲームになるのはわかっていましたし、楽な相手じゃないのはわかっていたので、この1週間で良い準備ができて、苦しい中でも点を取り切る、勝ちきるということ、甘さを見せないということをやってきたので、そこは最後に出て良かったと思います」(昌平・森田光哉監督)
昌平は序盤、攻め込みながら試合を進めたが、前半は動き出しが少なくやや攻撃が単調に。MF金澤道(2年)が10分に惜しいシュートを放ったが、なかなか決定的な場面を作れずにいた。
南稜は「前回(総体)は昌平のファーストタッチを自由にさせてしまった記憶があるので、そこを絶対に行くことを夏は重点にやってきた」と準々決勝後、MF小澤楓咲(3年)が話していたようにボールホルダーに素早く寄せ、奪ったボールを小澤、MF四潟心絆(3年)が展開した。
昌平は後半9分、金澤が力強くボールを運び、スルーパスにMF勝山あゆみ(1年)が反応したが、南稜はDF堀夢花(3年)が身体を張ってブロックするなど、引き続きゴールに鍵をかける。
昌平にとっては嫌な流れ。それでも、これを断ち切ったのが途中出場のMF阿部瑞穂(3年)だ。「誰が点を取れるか、と考えた時に浮かんできたのが阿部だった。『お前にかける』と言って送り出した」(監督)。16分、トップ下のポジションでピッチに立つとそのファーストプレーだ。
18分、自らが起点となった攻撃で、リターンを受けるとドリブルで仕掛け、フリーキックを獲得する。「シュートまでいければ良かったんですけど、あそこでファールをもらってでも自分で決めようと思った」(阿部)。利き足は右だが、感触が良かったという左足を信じて同サイドに立つと、短いステップからニア上に流し込んで欲しかったゴール。そしてこれが決勝点となった。
守備でも相手のキーサイド(右)で左SBの森居杏桜(2年)がヘディングに、1対1に出色の出来を見せるなど仕事をさせず。選手権予選では初の決勝進出&関東大会出場切符を掴んだ。
昨年は同ステージで敗退し、“裏関東”と呼ばれる関東秋季大会に回った。森居は「去年は本当に悔しい想いをした。今年は絶対に“本関東”に出て、全国に絶対に出るっていう、強い気持ちをみんなが持っていたので、今日は勝てて本当に良かったです」とこの一番にかけた想いを明かす。
昌平女子サッカー部として初の関東大会へ。森田監督は「男子も含めて、昌平のサッカースタイルというところは一貫して変わらないものがあるので、男子に続けて頑張って行きたい」と話した。全国区の強豪として知られる男子同様、「昌平のスタイル」で関東の舞台でも躍進を目指す。
石黒登(取材・文)
試合結果
南稜 0-1 昌平
0(前半)0
0(後半)1