令和５年度高校女子サッカー選手権大会は８月29日に２回戦の第２日がSFAフットボールセンターほかで行われ、正智深谷はMF大河原叶愛（３年）の４発などで大宮武蔵野を下した。

正智深谷は前半５分、縦パス抜け出した大河原が左足で対角隅に突き刺して先制すると、エースナンバー10は12分、さらには30分にもゴールを重ね、前半だけでハットトリックを達成した。

前半の３点は１点目が左足、２点目が右足、３点目がMF鈴木めい（２年）のクロスからヘディングでと、すべて違う形からのゴール。大河原は「（自分でも）驚きました。最初（利き足とは逆足の）左足で決めたんですけど、左は得意じゃないから、外しちゃったかなとちょっと思っちゃったんです。でも、入って安心することができて、そこから波に乗れた」と笑顔を見せる。

後半は４－２－３－１から３－５－２に変更した中で右WBに移った小坂結可（３年）主将が躍動した。中学時代は陸上もやっていた経験もあり、スピードと持久力に自信があるという小坂は「やっぱり持ち味の足の速さを生かして、裏に抜ける動きを意識してプレーしました」というように、何度も右サイドをぶっちぎり正智深谷の攻撃を牽引。21分には小坂のクロスに、ディフェンスの裏から前に入り込んだ大河原がダイレクトボレーで決めて、この日４点目とした。

33分には来年のエース格であるFW目野衣織（２年）の仕掛けからのシュートがクロスバーに弾かれたが、こぼれ球を途中出場のMF新井麻絢（３年）が決めて、５－０で勝利を飾った。

今季は小坂が主将、新井が副将を務める中で今阪華監督は「去年の３年生が引退してチームとしてもいろいろ環境も変わったんですけど、その中で指導者に言われてやるだけじゃなくて、自分たちで考えていくサッカーを目指して、苦戦した部分はあったんですけど、彼女たちなりによく考えて、自分たちでミーティングを開いたり、そこが成長かなと。その２人を中心にチームとしてどうしていくかというところを彼女たちなりによく考えていたかなと思います」と語った。

石黒登（取材・文）

試合結果

大宮武蔵野 ０－５ 正智深谷
０（前半）３
０（後半）２