新座第二中、越谷千間台中との打ち合い制し関東大会へ! 2年前は関東突破も全国は無念の出場辞退…「先輩たちの記録を越えたい」

7月27日、令和5年度学校総合体育大会県大会準決勝が浦和駒場スタジアムで行われ、新座第二中と越谷千間台中が激突。延長戦の末に4-3で制した新座第二が関東大会出場を決めた。

合計7発が飛び交う乱打戦を勝利して関東へ。新座第二・阿部悠希監督は「こんなふうになるとはちょっと予想してなかったんですけど、絶対に楽じゃないなと、厳しい戦いになるとは思っていた。最後はもう本当にあの子たちが目標にしていた「関東大会に行きたい!」という気持ちで走り切れて勝てたかなと思うのでもう本当に子供たちを褒めてあげたいです」と選手を讃えた。

新座第二はFW小野寺快斗(3年)、FW林信孝(3年)、FW丸田陽斗(2年)の機動力を生かしながらダイナミックな攻撃。その中でチームの屋台骨を支える3センターがゴールを重ねた。

前半11分、小野寺がサイドをえぐり、マイナスのクロスにMF大久保航大(3年)が走り込んで決めて先制した。前半は攻め込みながらもこの1点に終わったが、後半の入りは「長いボールだけじゃなくて、中盤の部分で相手のディフェンスラインと中盤の間でボールを受けて、さらにラストパスで崩していく」(監督)ことを意識すると、2分、中盤でボールを受けた大久保が縦に決定的なスルーパス。丸田のシュートはキーパーにブロックされたが、こぼれ球をMF橋本士空(3年)がゴール右に流し込んだ。さらに3分には「アウトにかけてのロングシュートは得意。この大会は1回も得点を取っていなかったので今日は自分が点を取って関東に行きたいなと思っていた」というMF小川孝太朗(3年)が得意の中長距離のシュートで決めて3-0とした。

一方、新人戦4強の越谷千間台もここから反撃する。セカンドボールを回収し始めると、中盤の数的優位を生かし前へ。5分、ボランチの鶴野凌久(3年)が自ら獲得したPKをしっかりと沈めて反撃の狼煙を上げると、9分にはMF菅原隼太(3年)が起点となり、10番のMF日向春貴(3年)が繋いで、FW小林将也(3年)がエリア左から対角に突き刺して1点差と迫る。

さらにここで越谷千間台は主将のMF蓮沼倖長(3年)がピッチへ。今大会は右膝の故障で出場が限られたが、山﨑勉監督も「果敢にゴールに向かっていくというか、相手のスペースを見極める力もあるし、自分で行って引きつけてスペースを作っていくとか、この冬も関東のいろいろな大会に出て、ほかのチームも彼に注目してくれた。正確な技術に加えて、リーダーシップ、強いメンタリティも兼ね備えている」と話していた、頼れるエースを最高のタイミングで投入する。

怪我もあり、動き自体は多くはなかったが、その中でも気の利いたポジショニングやキープで力を見せると、終了間際の34分だ。右サイドでボールを持った蓮沼はドリブルで仕掛けてFKを獲得。自らスポットに立つと、左足のキックはキーパーの頭上を抜いてゴールに吸い込まれるゴラッソ。キャプテンのここ一番のゴールで同点に追いつき、勝負の行方は延長戦にもつれ込んだ。

新座第二としては3点差を追いつかれる難しい展開。それでも最後に勝負を決したのは前述の「関東大会に行きたい!」という気持ちの部分だったか。延長前半1分、新座第二は「攻守にわたって頑張ってくれていた」と指揮官もMOMに上げた小野寺がこの時間でも途切れぬ運動量を見せて先制点同様にサイドをえぐりクロス。これに飛び込んだのは途中出場のFW山内祐輝(3年)。「途中から出る中でしっかり守り切ることと、あとは自分が決めるという気持ちを持って試合に入った。自分は突出したものはないんですけど、ボールが来そうなスペースに走り込むことは意識していて、それが点に繋がった」(山内)。これが決勝点となり、新座第二が激戦を制した。

新座第二は現高2の代が県準優勝した時以来の関東大会。その時は見事関東を突破したが、全国大会は残念ながら出場辞退となった。阿部監督は「あの先輩たちの姿を見てきた代なので、そういう意味ではあの子たちの分まで全国に出て、新座二中という名前が全国に届くように頑張ってもらえればと思います。まずは関東ですね。目の前の一戦一戦を頑張っていきたい」と話す。

選手たちの想いも同様だ。小川は「(1年生の時に)もう一緒にやったこともないくらいの先輩たちが(関東、全国に)行っていて、すげえな、とずっと思っていて。全国出場という先輩のすごい記録もあるんですけど、それを超えたい、歴史を変えたいという気持ちはある。(全国出場する上で)まずは一番の関東出場という目標は達成できたので、次の目標は先輩たちの記録を超えたいと思います」とし、小野寺は「自分たちは関東大会出場を目標にしていたので、新しい舞台で、県外でもみんなの印象に残ってもらえるように、自分のプレーを発揮したい」力を込めた。

まずは第一関門をクリア。目標を上方修正し臨む関東を勝ち進み、今度は全国出場を掴み取る。

石黒登(取材・文)

試合結果

新座第二 4-3 越谷千間台
1(前半)0
2(後半)3
1(延前)0
0(延後)0