第32回関東地区高等学校定時制通信制サッカー大会1回戦 学悠館 vs 狭山緑陽
第32回関東地区高等学校定時制通信制サッカー大会・1回戦。学悠館高校(栃木)と対戦した埼玉県第1代表の狭山緑陽高校は、後半開始から投入された1年生FW高木岳が2アシストを飾るなど、後半3得点を奪って3ー0の完勝で2回戦進出を決めた。
「前半は拮抗した中でなかなかシュートまでいけない場面が多かった」と池野厳樹総監督。前半狭山緑陽はMF三浦一馬のドリブル突破やMF大佛拓斗がMF戸谷悠利との連携から良い形を作ったものの、なかなかフィニッシュまで持っていくことができず。相手を押し込む場面もある中でシュート本数も2本に終わり、0ー0のまま試合を折り返した。
流れが変わったのは1年生FW高木岳の投入からだ。2歳上の兄でスタメン出場したFW高木海との2トップという形でハーフタイム明けから入ると、トップの2人が縦に横にと臨機応変に形を変えながら、そこに中盤も絡んで攻撃にリズムが生まれ始める。
すると間もなく先制点が生まれた。後半7分、中盤でボールを持った高木岳から左サイドの大佛にボールが入ると、背番号6は走り込んだスピードのままにするするとエリア内に侵入。ディフェンスを2枚、3枚と剥がすと最後は右足で流し込んだ。「うちのチームがずっと得点の形にしているパターン」(池野総監督)で狭山緑陽がついに均衡を破る。
さらにその2分後には追加点。再び高木岳が起点となると、裏に抜け出した兄・海に絶好のパスを供給。兄はそのままキーパーとの一対一を冷静に沈めた。「だいたい弟からのパスでいつも決めているんですよ」と海が言えば、「(どこに蹴れば走ってくれるかは)もう全然わかります」と岳。高木兄弟の息もぴったりなコンビプレーが決まって2ー0となる。
その後も攻め手を緩めずにいくと、後半28分には大佛のアシストからムードメーカーのFW守屋亮次がダメ押しの3点目。守っても「危ないシーンはあったが、自分的には納得している」というGK手塚良太を中心に最後まで0で抑え切って3ー0で初戦突破を決めた。
県大会では夏の全国出場校・武蔵野星城高校を準決勝で破り、決勝もしっかり勝ち切ってつかんだ第1代表。「普段できないようなレベルの高いチームとできる中で自分たちのサッカーがどれだけできるかもテーマだが、あくまでも勝負事なので優勝を目指していきたい」と池野総監督。2008年に現在の狭山緑陽に変わって節目の10年目で関東タイトルを狙う。
1、2年生が中心の今年の代は「やんちゃな子たちが多いが、ピッチに立つとみんな顔つきが変わる。スイッチの入ったところに力を発揮してくれる」(池野総監督)。「埼玉一のGKの称号は手に入れたので次は関東一」と手塚、この日1ゴールの高木海は「関東の得点王になるつもり」と意気込む。今秋埼玉を獲ったサッカー小僧たちは一度乗せたらもう止められない。
石黒登(取材・文)
試合結果
学悠館(栃木) 0-3 狭山緑陽
0(前半)0
0(後半)3