第32回関東地区高等学校定時制通信制サッカー大会1回戦 八王子拓真 vs 松栄学園

第32回関東地区高等学校定時制通信制サッカー大会・1回戦が18日に駒場運動公園補助競技場で行われ、埼玉県第2代表の松栄学園高校は八王子拓真高校(東京)と対戦。松栄学園は先制されながら一時は逆転に成功したものの2−5で敗れ、1回戦敗退に終わった。

前半は中盤以降攻められる展開が多かったものの、ゲームキャプテンのDF川崎裕賀を中心にしっかりとした守りを見せた松栄学園。前半17分、25分のピンチはGK吉田拓斗がブロックしてゴールは許さない。だが、このままイーブンでハーフタイムを迎えるかと思われた終了間際の29分に一瞬の隙を突かれて失点し、0−1とビハインドを背負って試合を折り返した。

それでも松栄学園は後半早々に同点弾。2分、後方からのロングフィードに対し一度は相手にボールを握られたものの、「とにかく追いつきたかったので全力で走った。身体も負けない自信があった」というMF鈴木雅裕が奪い返すと、キーパーとの一対一を冷静に沈めて1−1のタイに。さらにその1分後には相手のクリアをヘディングではじき返すと、前線から激しくプレッシャーをかけて相手のオウンゴールを誘発し、開始3分で一気に逆転に成功した。

最高のスタートを見せた松栄学園だが、早い時間帯に逆転したことにより「前に行き過ぎてしまった。あそこでブロックをまた5バックとかにすれば違ったのかもしれないが、ちょっと勢いに乗り過ぎてしまった」(川崎)。前がかりになった裏を突かれて後半13分に同点とされると、18分、23分、28分と失点を重ねて2−5。一時は逆転しただけに悔しい敗戦となった。

「逆転までは良かったが、追いつかれた時に気持ちの面で生徒たちの心の中に動揺があったのかなと。そこで持ちこたえられなかった部分が、やっぱりずるずるといってしまったかなというところはあります」と池田亮平監督。「外からの指示も必要だったかなというのはある」と悔やんだが、同時に「全員最後まで諦めずにやってくれた」と選手たちを労った。

フォーメーションなどピッチ内のことは選手たちが主体となってやってきた。「今年のチームは自分たちでやるという部分に関しては、夏からメンバーはほぼ変わっていないのもあり、主体的に動いてやっているなと、よくまとまったなというのはありますね」と指揮官。

今年4月から主将としてチームを引っ張ってきたMF五月女銀汰は「練習もあまり揃わなかったりもある中で、全国大会も経験できて、みんなで仲良く、楽しく、良いサッカーもできたし、とても良いチームだったなと思っています」。チーム最年長の鈴木は「みんなで最後まで諦めずに頑張ってきた。ここまで来れたので悔いはないと思う」と振り返った。

石黒登(取材・文)

試合結果

八王子拓真(東京) 5-2 松栄学園

1(前半)0
4(後半)2