平成29年度埼玉県中学校新人体育大会 決勝 伊奈小針 vs 東松山南

平成29年度埼玉県中学校新人体育大会・決勝が19日に埼玉スタジアム2002で行われ、ともにノーシードの伊奈町立小針中学校と東松山市立南中学校が対戦。試合はスコアレスで迎えた後半に一挙3得点をあげた伊奈小針が3ー0で勝利し、大会初制覇を果たした。


序盤攻勢に出たのは東松山南。開始早々にMF百石汰一が起点となってFW森田蒼大がシュートまで持っていくと、その後も百石の配球から相手ディフェンスラインの背後を狙っていく。それでも時間が経つにつれて伊奈小針がバックラインから丁寧につなぎながらペースをつかみ、前半15分以降は白のユニフォームが相手のゴール前に迫る時間を増やしていった。

そんな中で東松山南は前半23分にビッグチャンス。百石がインターセプトからシュートまで持っていくが、ここは伊奈小針GK池田裕樹がファインセーブでゴールを許さない。

中盤以降は伊奈小針が攻め込む中で「ちょっと綺麗に崩そうとしすぎてしまっていた」(鬼塚勲監督)。またスタジアムといういつもと違った環境で緊張もあったのか、なかなかシュートまで持っていくことができない。チャンスを作りながら前半はスコアレスで終了した。

「楽しめているか」。ハーフタイムに確認したのは戦術云々ではなくその部分。

「楽しめていない選手が大半だった。後半は楽しんでこいと言われた」(伊奈小針・DF土田陸人主将)。すると後半は伊奈小針が“楽しさ”を前面に押し出したようなサッカーで相手を圧倒した。

先制点は後半2分。右のショートコーナーからDF平田翔也のクロスをFW増子恭平が折り返すと、FW曽山翼が身体を張って開けたコースにFW柴崎健斗が詰めて均衡を破った。柴崎にとっては1回戦の深谷市立幡羅中学校戦以来の2ゴール目。

「ずっと結果を残せていなかった。絶対に俺が決めてやるという気持ちだった」という10番がゲームを動かした。

その後も相手の周りを4、5人が風車のように回転するトリッキーなセットプレーや、柴崎の抜け出しから次々と攻撃を仕掛けていく伊奈小針。後半20分には追加点が生まれた。

MF中村蒼也の縦パスから左サイドを突破した平田がシュートモーションに入ると「平田選手は強打のプレーヤー。キックの精度も良いので溢れるか、良いボールが入ってくると思った」と大吉直弥。後半から左ウイングとして入った1年生は一気に逆サイドまで回り込むと、予測通り平田のシュートをキーパーが弾いたところをピンポイントで合わせて加点した。

アディショナルタイムには土田が自らのボールカットから前線に突進。「もともとFWだったので前への推進力はある」。最後は落ち着いてキーパーをかわしてダメ押しの3点目。試合はこのままタイムアップとなり、3ー0で伊奈小針が新チーム初タイトルをつかんだ。

昨年の1年生大会ではさいたま市立常盤中学校に2ー5で敗退。前半は2ー1とリードしていたが、後半立て続けに4失点を喫し「最後の最後で力を見せつけられた」(土田)。

打倒常盤を掲げて臨んだ今大会では、準々決勝でその常盤に2ー0で勝利して見事にリベンジ。さらに準決勝、決勝も勝って2年前(準優勝)の先輩たちが果たせなかった新人大会優勝を飾り、鬼塚監督は「(2つの目標を)達成できて本当に嬉しい」と喜んだ。

この日の先制点もそうだが、セットプレーは大きな強み。2回戦の川越市立砂中学校戦では3得点すべてがセットプレーからだった。楽しみながら取り入れているというセットプレーの形は自分たちで発展させながら、いま現在で20種類から30種類はあるという。またスタメン4人を含めて、この日出場した6人が1年生と今後に向けて非常に楽しみなチームだ。

決勝後は優勝の余韻に浸りながらもすぐさま気を引き締めた。「始めの部分でまだまだ甘さが見えたり、自分たちの弱さを突かれたところもあった。そういった弱さを消して、一試合通じてしっかりと勝ち切る試合運びをできるようにしたい」と主将の土田。10番の柴崎は「来年は自分がチームを勝利に導けるようなゴールを決めていきたい」と語り、途中出場で1ゴールの1年生・大吉は「守備の課題を克服してレギュラーをつかみたい」と意気込んだ。

それぞれがレベルアップを重ね、来年はいざ学校総合体育大会制覇に挑む!

石黒登(取材・文)

試合結果

伊奈小針 3-0 東松山南

0(前半)0
3(後半)0

大会結果

優勝:伊奈町立小針中学校
準優勝:東松山市立南中学校
第3位:朝霞市立朝霞第一中学校
第3位:所沢市立東中学校

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