西武台新座中が初の県8強入り! 勤勉にタスクをこなし、技術の高さ誇る聖望学園中を撃破
24日、令和5年度学校総合体育大会県大会3回戦がRHF駒場グランドほかで行われ、西武台新座中と聖望学園中が激突。後半飲水後に2点を奪った西武台新座が、初のベスト8進出を決めた。
西武台新座は、西武台高で2010年に総体4強、選手権8強入りした山﨑健吾監督が就任し、4年目で県の扉を開いた昨年大会はベスト16に進出。しかし、3回戦でさいたま南浦和中に1-4と敗れ、涙を呑んだ。今年は10番を背負うFW佐藤拓実(3年)、DF酒井駿(3年)、GK太田陽斗(3年)ら、昨年の経験者を中心に「歴史を作ろうよ!」と臨み、新たな歴史を刻んだ。
「相手の動かし方とか、そういう特徴はあの子たちも理解しながら、どうやって守備していくかっていうのも話をして入った。思っていたよりも相手の方が技術は高い部分もあったし、でもそれに対して困ることなく、ちゃんとこちらが与えたタスクをまっとうしてくれた」(山﨑監督)
「回されることはわかっていたので、どれくらいスライドをしっかりできるか、我慢強さの部分を意識しながらプレーしました」(植村)、「相手がすごかったので、前半からプレスをかけて、相手にパスを回させないようにするというのは話していました」(平山)。学校では生徒会長も務める植村風海(3年)主将、平山和輝(3年)のボランチコンビが全体をコントロールしながら技術の高い相手に対して徹底したプレスとスライドを繰り返し、システムを破綻させなかった。
後半も徹底してハードワーク。山﨑監督は「僕も守屋(保/西武台高監督)先生に「勝ちたいと思うな、負けたくないと思え」と言われていて、そこで粘り強く、粘り強くやるから勝つんだよと。彼らにもそういう形で伝えていて、粘り強く頑張り続けていた」と選手たちの頑張りを語る。
粘り強く対応し続けると、23分についにスコアを動かす。平山の左CKから佐藤、植村が綺麗なダブルスルーを成功させると、途中出場のFW川幡佑斗(2年)がニアに走り込んで決めた。
「ダブルスルーからの形は練習でも何回かやっている中でなかなか難しくて成功できていなかったけど、この本番で成功できて嬉しかったです」(川幡)。練習でもスルーまでは決まってもシュートまで完璧に決まったのは初(佐藤談)。関わった全員のイメージが共有された見事なゴールだった。川幡は5月に腰を負傷し、今大会は限定的な出場。「やっぱり途中から出るから、みんなよりは疲れていないし、自分で決めてやろう」と臨み、少ない出場時間で決めきってみせた。
さらに後半ATには佐藤にも待望のゴールが生まれる。この日はなかなかチャンスをものにできていなかったが、「それでも最後は絶対に決めてやる!」という強い気持ちを持っていた10番は「裏に出してくれると信じて」途中出場のFW齋藤勢那(2年)のパスに抜け出すと、最後は飛び出してくるGKも冷静に交わしてゴール。昨年のラウンド16では「最初、自分にシュートチャンスがあったんですけど、外しちゃって、どんどん点を取られちゃって。その際に自分のせいだなというのを実感してて。今回はなんとしてもスタジアムで勝ちたい」と話すエースの追加点もあり、2-0で勝利した西武台が新人戦覇者・さいたま尾間木中とのベスト8に進出した。
一方、聖望学園も全員が1、2年生のチームで奮闘。アンカーで主将の近澤金之助(2年)を中心にそれぞれが高い技術を持ち、高校と同様に後ろから丁寧にビルドアップしながらアタック。前線ではCF、WGで高い推進力を見せた指田風太(2年)、10番のMF大島榮心(2年)、得点に迫ったFW村田圭祐(2年)と有力選手も多く、彼らが最上級生になる新チームも楽しみだ。
石黒登(取材・文)
試合結果
聖望学園 0-2 西武台新座
0(前半)0
0(後半)2