細田学園は恐れず繋ぎ、武蔵越生を撃破! 指揮官も「自分たちのフットボールを貫いてくれた」

恐れずに自分たちのサッカーを表現してS1撃破。令和5年度全国高校総体・県予選2回戦が4日に行われ、細田学園と武蔵越生が対戦。細田学園が1-0で勝利し、ベスト16進出を決めた。

上田健爾監督は「(試合に臨むにあたって)相手がS1だからという言葉は一切なかったですし、それよりも自分たちの力を発揮しよう、自分たちのプレーに集中していくということだけだった。その中で恐れることなく、選手が自分たちのフットボールを貫いてくれたというのが、勝利に繋がったというところだと思います」と話し、「選手たちは堂々とやってくれた」と讃えた。

「結構、(武蔵)越生さんは引いてきたので、自分たちでボールを繋ぎながらも、相手がプレスに来たその瞬間に剥がしてロングボールを入れたり、そういうところを狙っていました」(岡)。

細田学園は相手がぎりぎり飛び込めない、来たら外せる絶妙な距離を保持しつつ、食いついてきたところを昨年から主力のMF岡大耀(3年)、ボール保持やゲームコントロールに長けるMF並木俊輔(2年)を中心にワンタッチパスを繋いで一気にスピードアップして剥がし、裏に刺すパスから10番のMF井出壱音(3年)やMF加藤琉平(3年)が抜け出してチャンスを作った。

そして前半終了間際の42分、DF細木光希(3年)の左CKを「あそこが空くというのはその前にも何回かあって、その中であそこに走って自分が決めてやろうと思っていた。ボールが良かったので合わせるだけでした」というDF雨宮壮汰(3年)がヘディングで決めて先制した。

また、守備面でも「今年は空中戦も戦ってくれる」と指揮官も信頼を寄せる、主将の丸山翔也(3年)と雨宮のCBコンビがロングボールやセットプレーをことごとく跳ね返し、相手の得意な展開に持ち込ませなかった。追加点が取れなかったことはひとつ課題として残ったが、「チームプレーに徹することができる」というチームは後半メンバーを入れ替えながらも最後までペースを落とさずプレー。1-0という結果以上に、内容面で相手を圧倒してベスト16進出を決めた。

武蔵越生は前半、ロビングからFW大沢楽(3年)のシュート1本に押さえ込まれた。後半は6本のシュートを放ち、守護神の田中然(3年)が何度もピンチを救ったが、ゴールが遠かった。

細田学園は昨年まで選手権で4年連続ベスト8敗退。今春の関東大会予選では浦和東にPK戦の末に破れ、またしても8強に終わった。岡は「散々もうベスト8までは来ているので、今年の自分たちの代ではそこを越えて、優勝というのを必ず取りたいなと思っている。今年から応援ができて、選ばれなかった選手たちの分、3年間ずっと近くで指導してくれたスタッフや保護者の人に、こういうところで結果を返していきたいというのは強く思っています」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

武蔵越生 0-1 細田学園
0(前半)1
0(後半)0