エースMF川﨑悠真が3Gに絡む、伊奈学園は4発で初戦突破も続くブロック決勝で涙

令和5年度高校総体南部支部予選・2回戦。初戦シードの伊奈学園は開智に4-0で勝利した。

伊奈学園は立ち上がりからほとんどの時間を相手コートに押し込んで進めたが、トーナメントゆえの緊張からか、ゴールに迫りきることができていなかった。逆に開智はCB帯包達也(3年)らを中心に中を固め、最後の部分ではGK張文韜(2年)が立ちはだかり前半を0で耐えた。

それでも後半は伊奈学園が一気にペースアップ。相手のサイドの裏のスペースを突いていく。

1分、右MF川﨑悠真(3年)が抜け出し、クロスをFW木幡光樹(2年)が決めて先制。8分には川﨑が再びサイドを破り、味方のシュートのこぼれ球を木幡が詰めた。その3分後には川﨑のクロスからMF岡野凌汰(3年)が流し込んで再開後11分間で3点を奪い、勝負を決めた。

川﨑は「スピードもあるし、体幹の強さもあって、あいつが身体で負けているのはまだ見たことがない。Sリーグでもできる選手」と指揮官も推す今年のエース。この日はなかなか持ち味を出し切ることができなかったが、裏抜けを意識した後半は3ゴールに絡んだ。「自分が打つか、味方にパスを出すかのところで味方を選択して、ゴールに絡めたところは良かった」と振り返った。

21分にはCKのこぼれ球を主将のMF長谷川貴紀(3年)がコントロールし、左足のミドルシュートを突き刺して4-0で勝利。後半は一挙4得点を奪ったが、「あんなにボールポゼッションもできた中で、シュートも27本打っているんですけど、4本しか入っていないというところはチームの決定率が低い」と10番MF野澤光(3年)が話したように課題が残る結果となった。

伊奈学園は今年4月から、武南出身で飯能南、和光国際で指揮を執った翠川潤監督が赴任した。「やっぱり選手の質も高い。ただ以前の強かった時代の伊奈と比べると、選手の人数的にもいまはマネージャーを入れて100人くらい。ただその中でもちょっと強化はしようと思っています」と話す。また、その中で「まずは県リーグに昇格させたい」とSリーグ復帰に意欲を燃やした。

今総体予選は続くブロック決勝で川口東に敗退。まだ新体制となって1ヶ月となかなか戦術をチームに落としきれない部分もあった。これから戦術を浸透させ、再び県で戦えるチームを作る。

石黒登(取材・文)

試合結果

伊奈学園 4-0 開智
0(前半)0
4(後半)0