東野が6得点大勝! エースFW及川朝日が2得点。GK出身の変わり種、FW宇山秀哉も台頭

選手権1次予選2回戦。グループOは東野と川口市立が対戦し、6-0で東野が完勝を飾った。

「まず最初にエースでやってきてくれている及川が、フリーキックでしっかりと一発目から決めてくれて、技術の差を見せてくれたのが大きかったかなと思います」(東野・須釜洋勝監督)

試合のオープニングを飾ったのは“エース”だった。前半3分、東野はゴール前でフリーキックを獲得するとFW及川朝日(3年)が右足のキックを完璧な軌道に流し込んで先制点を奪った。

さらに及川は前半29分に追加点。ペナルティーエリア前でボールを受けると右足で軸足の裏を通し、今度は左足を一閃。直後目の覚めるような豪快なゴラッソがゴールネットに突き刺さった。

関東予選では2回戦の市立浦和戦で2ゴールを奪うなど、潜在能力の高さを示した及川。今夏は大学の練習会にも参加。「そういう高いところの刺激を1回受ける機会があったというところも大きい。あとはあの子自身、自分が決めなければチームがリズムに乗らないというのもわかっている」と上のレベルを経験し一皮むけたエースが、早々の2ゴールでチームを力強く牽引する。

前半34分にはMF花里陽紀(3年)がスーパーミドルを突き刺して3点目。またアディショナルタイムには左サイドをワンタッチパスで崩す。MF城戸伸士(2年)のポストから、及川が縦パスを通すと、この攻撃の起点となったFW宇山秀哉(3年)が抜け出してゴールを奪った。

その後も「うちがずっとやってきた相手にボールを握らせて、ゲームを支配する形で綺麗にカウンターが決まったり、要所要所の決めなければいけないところで、一個一個しっかりこだわるというのを欲張らずに出来た」と指揮官が言うようにひとつひとつ狙いの見える攻撃から得点。後半もDF田中愁人(3年)、MF坂田拓馬(3年)がゴールを記録し、6-0で勝利した。

川口市立は後半3分、MF山岸快(3年)のフリーキックからの混戦でDF今泉桜気(1年)がこぼれ球を狙ったシュートがこの試合最大の決定機だったが、決めきることが出来なかった。

東野は今回もエースの及川が目を引くプレーを見せていたが、12番をつけるもうひとりのFW宇山も台頭。中学年代はGKをやっていたものの「フィールドがやりたい」と入ってきた変わり種は足の速さが武器で「足元の技術はないんですけど、ポイントで使いながらちょっとずつ成長してきた」(監督)。及川を欠いた強豪校との練習試合でも得点を記録するなど成長を見せている。

インターハイ予選では代表決定戦で川越南の高さを生かしたアタックに自分たちのサッカーを出来ずに敗退。「あの子たちも不完全燃焼だったと思う。(その中で)勝つやり方はなんだろうねというところをある意味、あいつらの中では持って行けたのかなと思います。理想と現実をある意味わかったポイントなのかなと思います」とチームが変わるターニングポイントとなった。

関東予選に続く衝撃をー。代表決定戦を勝ち抜き、選手権でもう一度大きなインパクトを残す。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口市立 0-6 東野
0(前半)4
0(後半)2