武南が昌平を下し決勝へ! 攻撃姿勢打ち出し終了間際に劇的同点弾、PK戦の末に勝利

「令和4年度高校サッカー新人大会・県大会」準決勝が18日に行われ、武南と昌平が激突。互いに譲らぬ一戦は2-2のままPK戦までもつれ込んだ中で武南が勝利し、決勝に駒を進めた。

先手を取ったのは昌平だ。いつものように近い距離感でパスを繋ぎながら、スピード感のある攻撃で武南ゴールに襲いかかる。すると前半5分、敵陣中央でボールを奪ったMF三浦悠代(1年)がそのままドリブルで前進。右足で流し込んで準々決勝に続き、2戦連続の先制弾を挙げた。

一方、武南は立ち上がり、相手のスピーディな攻撃や、ボールを奪っても切り替えの速い昌平のフィルターにかかってしまうなど、負の連鎖を断ち切れない中での失点。それでも中盤以降は宮里丞、高橋秀太(ともに2年)のダブルボランチのところでボールを持つ機会を増やし、勇気を持ってチャレンジ。攻撃ではMF川上旺祐(2年)がドリブルで持ちだしてリズムを作った。

昌平もキャプテンマークを巻くDF田尻優海(2年)が危険なエリアを埋めるなど、集中した守備を見せたことで前半は1-0で終えたが、後半も武南は前線から相手DFをパッキングしていく攻撃的な守備や、途中出場のMF飯野健太(2年)も抜け出しからゴールに迫る。そして6分、高橋秀の右CKからの混戦をDF島崎貴博(2年)が頭で押し込んで、同点に追いついた。

昌平は13分、敵陣でのボールカットからMF田口昊輝(2年)が繋ぎ、三浦がこの日2点目を奪って再度引き離す。さらに1点が必要になった武南は24分、FW杉沢旭浩(2年)、MF大熊來瑠(1年)、DF田和俊祐(2年)と一気に3枚替えし同時にシステムも3-5-2にシフト。サイドバックを切ることによるリスクを取りつつ、「そこに行く前に回収する、逆のフィルターをかける」(内野慎一郎監督)ことでより攻撃的な姿勢を打ち出し、前に出るシーンを増やした。

刻一刻と時間が過ぎる中で、試合が再度動いたのは41分。髙橋秀の右CKにニアサイドで合わせたのは川上だ。「前回の浦学戦で小金井(遥斗/2年)がコーナーから点を取ったのがまったく同じような感じだった。あの辺に入っていったら同じようなボールが来るかなと思って入ったら本当にイメージ通りのボールが来たので、しっかりミートさせることだけを意識した。(入った瞬間は)自分でもよく覚えていなくて(苦笑)」という土壇場の劇的同点ゴールで追いつく。

延長戦でも決着はつかず、勝負の行方はPK戦に突入。武南は今年のチームの主将を務めるGK前島拓実(2年)が3本目と5本目を右に跳んでストップすると、4人のキッカーが全員が成功させて決勝進出を決めた。2本目を蹴ったFW戸上和貴(2年)は昌平の下部組織であるFC LAVIDAの出身。「もう相手も知り合いばかりで、かなり最初からずっとやってやろうという気持ちはあった。後半のラストのあたりからもうずっと攣っていたんですけど、やっぱり気持ちはあったので自分は2番手に名乗り出て、ちゃんと決めきることができて良かった」と話した。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 2(3PK4)2 武南
1(前半)0
1(後半)2
1(延前)0
1(延後)2
3(PK)4