昨年は選手権予選で19年ぶりの4強入り 浦和学院の新チームは「繋ぐ」がテーマ

「令和4年度高校サッカー新人大会・県大会1回戦」(11日/市立浦和高)。昨年選手権予選で4強入りした浦和学院と東部支部2位の春日部東の一戦は、6-2で浦和学院が勝利を収めた。

浦和学院は昨年、石川真稀、上田海輝人の2枚看板を軸に選手権予選で19年ぶりの4強進出。今年はまだ彼らほどの強烈な個はいないが、向笠晃史コーチは「この子たちの方が上手かな」というように、技術的なアベレージはむしろ昨年よりも上で、この試合でもその片鱗を見せていた。

連続してショートパスを繋ぎながらサイドを使って攻撃を展開。前半9分、右サイドからのアタックからMF坂間真翔(1年)のシュートのこぼれ球をFW宮本翔(1年)が詰めて先制した。

その後も15分に坂間がチーム2点目を入れると、その5分後にはMF小川雄大(2年)がカットインから右足を振り抜いて加点する。さらに25分には坂間を中心にワンタッチパスを繋いで前進し、MF佐藤煌希(1年)のクロスをニアで宮本がピンポイントで合わせて4点目とした。

春日部東は33分、支部予選でもゴールを生んでいるDF岡井寛大(2年)の正確な右足の直接CKで1点を返したが、浦和学院は40分に佐藤煌が決めて、5-1として試合を折り返した。

一方で後半は前半からはややスローダウンする形に。逆に春日部東は10分、セットプレーのこぼれ球をDF川名礼恩(1年)がジャンプボレーで決めて追随する。浦和学院は36分、小川が右足の長距離砲を叩き込み6-2で勝利したが、後半は相手の圧力もあり、なかなか自分たちのプレーを表現できなかった。DF川畑宇輝(2年)主将は「点が取れたシーンは自分たちのやりたいサッカーである下から繋いで、間を取ってとか、ワンツーやサイド攻略してとかできたんですけど、点が取れなくなってからは攻撃が単調になって難しい試合になってしまった」とした。

向笠コーチも「良い選択ができればボールは失わないとか、相手を引きつけてとかはできますけど、後半みたいに焦ってしまうと、まだまだ難しいかなとは思う。そこをひとりで打開するのか、チームで打開するのか、というところはやっぱりまだ課題がある」と状況判断を課題に挙げた。

新チームは「繋いでいくサッカー」がテーマ。昨年の代でも中盤で高い能力を見せていた坂間はキーマンのひとりだ。また、この日は体調不良でベンチ入りしていなかったものの、こちらも昨年から出場している10番のMF平瀬優真(1年)はチームの柱で、川畑も「ゲームコントロール力があって、1本のパスで局面を変えられる。(平瀬が入ると)サッカーが変わる」と話す。

続く準々決勝で武南に敗れ、今大会はベスト8に終わったが、今後リーグ戦などを通じて連携面を高めていけば、今年も面白い存在になるかもしれない。「先輩たちが基準を上げてくれて、俺らもやっぱりその舞台まで行きたいし、そこで勝っていきたいという目標ができた」(川畑)。先輩たちとは違ったまた特徴を持つ若いチームは、ここから大きく成長し、より高い景色を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和学院 6-2 春日部東
5(前半)1
1(後半)1