成徳深谷が難敵・市立浦和を撃破! 昨季は選手権、IH予選で準V、主力3選手を中心に成長し再びあの舞台へ

2年ぶりの開催となった「令和4年度高校サッカー新人大会・県大会」が11日に開幕。1回戦では昨年の選手権予選準Vの成徳深谷が2-0で市立浦和に勝利し、今季公式戦初戦を飾った。

前年インターハイ予選、選手権予選で準優勝の成徳深谷は、昨年から主力のFW秋本光瑛、FW平井心瑛、左SBの鈴木嵐(ともに2年)がチームの中心だ。この試合でも秋本、平井の2トップに当てつつ、攻撃を展開。鈴木嵐も左足の正確なキックやロングスローで存在感を放っていた。

前半は相手の粘り強い守備もあり、得点することはできなかったが、後半もセットプレーからCB新国優真(2年)が打点の高いヘディングでゴールに迫る。すると均衡が破れたのが引水間際の21分だ。敵陣深くで相手のスローインを回収した平井のクロスに、一度ニアに入る動きでDFをつり出した秋本がファーサイドに回り込んで、落ち着いて頭でゴール左隅に流し込んだ。

さらに成徳深谷は39分、途中出場のMF大森壮馬(1年)がゴール前で相手の横パスを引っかけて追加点。また、後ろでは新国とアンカーに入った加藤颯(2年)がきっちりリード。昨年はS2リーグでプレーしていた加藤は「真ん中と後ろを繋ぐのが自分の役割。周りの選手をうまく動かしながらボールを動かしていくことを意識した」とリンクマンとして安定感をもたらした。

予選免除の成徳深谷にとっては、これが新チームで迎える公式戦初戦。さらに市立浦和は昨季S1リーグで連敗するなど、難しい相手であったことは間違いない。そんな中で為谷洋介監督は「(相手は予選からシステムを変えてきたが、)うちとしてはあまりやることは変えずに、ただ守備の嵌め方だけ整理していって、そこは割と出ている選手たちはちゃんと自分の役割をまっとうしたように思えたので、そういう意味では良かった」と初陣を勝利で終えた選手たちをたたえた。

昨年はインターハイ予選、選手権予選と、2つのコンペティションで決勝に進出。今年のチームのゲームキャプテンを務める秋本は「去年は本当にいろいろなことを経験させてもらって、自分たちも(下級生で)あの決勝の舞台に2回も行くなんて、なかなか経験できることじゃないと思う。それを経験しているからこそ、今年はやっぱりその基準でどんどんやっていかないといけないし、それを知っている平井心瑛、鈴木嵐を含めて中心となってやっていかないといけない。去年の悔しさはまだ残っていますし、そこ(決勝進出)を目指さないと行けないと思う。まずひとつひとつ足下を見つめ直しながら、チームとしてより成長していきたい」と意気込みを語った。

一方、市立浦和は支部予選では3バックで臨んだ中で県大会は「しっかり自分たちらしくやろう」(大野恭平監督)と4バックを選択。後半はディフェンスラインからしっかりと組み立てつつ、エースFW田中悠真(1年)が持ち味の推進力を生かしてエリア内に何度か切り込んでいく場面も作っただけに、一瞬のエアポケットのような時間帯で生まれた2失点がもったいなかった。

石黒登(取材・文)

試合結果

市立浦和 0-2 成徳深谷
0(前半)0
0(後半)2