伝統校・川越が16年ぶりの関東予選出場決定!目標の県大会1勝へ、菅原主将「常に意識してやっていきたい」

県大会での1勝を目指して―。令和4年度高校サッカー新人大会・西部支部7位決定戦が5日に行われ、伝統校・川越が3-0で坂戸西を下し、2007年以来となる関東大会予選出場を決めた。

「前半の引水までに1-0にしようということで、もう立ち上がりからガンガンかけて、奪ったところから点を取りに行く」(相馬貴彦監督)ことを狙いとしていた川越は前半11分、MF豊村拓也(2年)のシュートのこぼれ球を主将のMF菅原天馬(2年)がヘッドで詰めて先制した。

その後も川越は菅原が様々なポジションに顔を出しながら攻撃の起点に。しっかりとマイボールを大切にしながら、敵陣でサッカーを展開する時間を増やす。すると27分には追加点。前線からプレスをかけて相手のミスを誘発し、10番MF桑澤航輝(2年)が落ち着いて流し込んだ。

一方、坂戸西も後半に入り、息を吹き返す。FW山地ルアン(1年)が果敢に前追いを繰り返してプレッシャーをかけ、MF中里航大(2年)や途中出場のMF郡司颯(1年)がゴールに迫る。25分には郡司のクロスからのこぼれ球をMF関口ライカ(2年)が振り抜くが惜しくも外に。さらに30分に郡司が抜け出した場面は決定的かと思われたが、これはニアポストを直撃した。

後半は守備に回る場面が増えた川越だが、前半立ち上がりに相手の決定的なシュートを防いだGK北村駿(2年)を中心に、ディフェンスラインも最後の決定的な場面で足を伸ばすなど粘り強く守備。すると相手の決定機直後の31分、途中出場のFW橋口奏太郎(1年)のスルーパスに抜け出した桑澤が沈め、勝負を決めた。この日2得点の桑澤は「自分はスピードが武器。(2点目は)良いボールが来て、自分もちょうど良い感じで抜け出せた。決められて良かった」と笑顔。今年は10番を与えられた中でしっかりと責務を果たしたMFを指揮官もMVPに推した。

関東大会予選出場は平成19年以来、実に16年ぶりだ。「関東出場っていうところは僕たちのひとつの目標になっていたので、それを実際にできたっていうところではすごい大きな収穫があった」と菅原。相馬監督は「(西部の)7本に入るというのは年末年始からずっと言っていたので、そこはかなり懸けてやってくれていたのかなと思う」と話し、選手たちの頑張りをたたえた。

市立浦和出身の相馬監督が赴任し、5年目。「立ち位置だったり、パスの質だったり、いろいろなところにこだわっている」というビルドアップの部分は積み上がりもあり、面白い代だ。今予選は埼玉平成にこそ力の差を感じたが、3回戦では山村学園にスコアレスからのPK勝ち。前日の5位決定戦では慶應志木に敗れたものの、内容面では押し込むなど私学とも渡り合っている。

関東予選で目指すのは県大会での1勝だ。相馬監督赴任後、4度県大会にはチャレンジしているが、そのいずれも1回戦敗退と乗り越えたい壁だ。菅原は「県大会には埼玉平成みたいな相手がいっぱいいると思うので、まずは気持ちで負けないこと。技術はそんなにすぐには無理だとしても気持ちとハードワークで1回しっかり勝ちたい。去年はインハイ、選手権も1回戦で負けてしまっているので、1回戦突破というところは常に意識してやっていきたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

坂戸西 0-3 川越
0(前半)2
0(後半)1