新拠点完成の武南が“こけら落とし”の一戦を制す! 第2Gが全面人工芝にリニューアル、松原「結果で恩返しできたら」

令和4年度高校サッカー新人大会は2月4日に各支部で準決勝を行い、南部支部では前半に3得点を奪った武南が3-1で浦和西を振り切り、翌週から始まる県大会への出場権を獲得した。

武南はこれまでクレーだった越谷市にある第2グラウンドを改修。全面人工芝に張り替え、「武南フットボールフィールド」としての、“こけら落とし”の試合となった中でしっかりと勝利した。

勝負を分けたのはセットプレーだ。武南は前半5分、右CKをレフティーのMF髙橋秀太(2年)がゴールに向かって巻くボールで先制。さらにその2分後にはこの日キャプテンマークを巻いたMF松原史季(2年)のCKのこぼれ球に高橋秀が思い切りよく振り抜いてゴールネットに突き刺した。41分には左CKを松原が直接ゴールに沈めて、前半はCKかた3得点を叩き出した。

昨年は松原が左右両方を担当していたが、今年は右の松原、左の高橋秀とそれぞれ質の高いキッカーがいるのはひとつの強み。松原は「練習を通して結構、秀太とコミュニケーションをとっていて、まだチャレンジできてはいないんですけど、「面白いフリーキック」というのをアイデアとして増やして行ければ、もっと得点のバリエーションが増えるんじゃないかと思う」と話す。

一方、前半はなかなか前に出られなかった浦和西も、後半に入ってペースアップ。今年のチームの攻撃の柱として期待されるドリブラーのFW高原寛太(2年)がHT明けから鋭い縦突破を連発すると9分の追撃弾も14番のドリブルから。高原が右サイドを切り込んでクロスを送ると、混戦となった中でFW塙翔太(2年)がターンしながらゴール左隅に流し込んで1点を返した。

浦和西は27分、ショートコーナーのこぼれ球を塙が強振。シュートは枠を捉えていたが、ここは武南の1年生GK原田優真のファインセーブに阻まれた。後半は相手コートで押し込んで進める時間帯も多かっただけに、市原雄心監督は「もったいなかった」と前半の3失点を悔いた。

勝利はしたものの、武南としても課題が残る結果に。体調不良者などもおり、なかなかメンバーも揃わず、ぶっつけ本番というような形となった中で前線でのアイデアや崩しの部分、そして最後に決めきる部分など、連携面で難しい部分もあり、髙橋秀は「試合を通して自分たちのやりたいことはそんなにできなかったし、もっと改善することがたくさんあると感じた」と振り返った。

昨年から行われていた第2グラウンドの改修も終了。2月からは練習も行われており、この日の準決勝がこけら落とし的な試合だった。松原は「やっぱりこれだけ良いピッチを作ってもらって、そこの初戦は負けるわけにはいかないというのは、チーム内でもしっかり共通意識として持っていた。そういう意味では内容はどうあれ、結果的に勝てたというのはよかった」と話す。

今回の改修で全面人工芝に張り替えられたほか、広々としたアップエリアが取られるなど、選手たちにとってプレーしやすい環境が整った。松原は「ここでやれることに、しっかりといろいろな方々に感謝してプレーしたい。結果で恩返しできたら」とこのピッチからの飛躍を誓った。

石黒登(取材・文)

試合結果

武南 3-1 浦和西
3(前半)0
0(後半)1