浦和東は初戦11発快勝! 現時点では全員が横並び、切磋琢磨の中で「個」を伸ばし上位へ

令和4年度高校サッカー新人大会は15日に北部支部以外の2回戦を行い、南部支部では浦和東が11-0で浦和実業に快勝した。浦和東は28日に行われるラウンド16で国際学院と激突する。

浦和東がさすがの強さを見せた。立ち上がりはやや固さもあったが、前半15分にMF田中涼賀(1年)のゴールで先制すると、30分に櫻井康太郎(2年)のクロスにFW淀川遥翔(2年)のが競り勝ち、MF小林咲也(2年)が右足ボレーでゲット。さらにその2分後には右SHの伊藤夢大(2年)のクロスを田中がスルーし、櫻井がダイレクトプレーで決めて3-0とした。

固さも取れた後半はゴールラッシュとなった。田中が後半だけでハットトリックを達成するなど、この日4得点を奪ったほか、交代枠をフルで使いつつ、1年生も積極起用した中でMF林直孝、FW福島蒼介が2得点ずつ、DF石崎陽太郎が1得点と応え、最終的に11-0で勝利した。

平尾信之監督は「最初は予想通り、ちょっとやっぱり固くなって、シュートミスとかトラップミスが多かったんですけど、ハーフタイムに緊張せずにやりなさいと言ったら、後半はリラックスして、いつものような形で攻撃してくれたので、次戦に繋がるかなというところです」と語った。

今大会に臨むメンバー選考には頭を悩ませたという。「いまトップチームが45人で活動しているんですけど、その中から30人を選ぶのがすごく大変なぐらい、すごく実力が拮抗している。学年関係なく、その時に調子が良い選手を出して、誰が出てもいいようなチームになればいいのかなというので、みんなで切磋琢磨して、底上げできればいいのかなというところです」と話す。

実力が拮抗していることは良さもあるが、反面現時点ではまだ飛び抜けた選手がいないということも事実。まだ1月ということもあり、しょうがない面もあるが、平尾監督も「このままではダメ」と声をかけているという。「試合後もそういう話はして、いまチーム戦術もやっているけど、とにかく個を鍛えて、個をどんどん伸ばしていこうという時期なので、それはフィジカルもいまいっぱいやっていますし、技術的な部分も、どれだけの子がグッと伸びてくるかだと思う」と、45人の大きなスカッドの中で切磋琢磨しつつ、飛び出す選手が出てくることを期待する。

背番号10をつける主将の長身CB小山紘輝(2年)は今年のチームについて「個性豊かで、バラつきはあるんですけど、試合になると、それが逆に心強い」と話す。この試合では田中が存在感を発揮。クラブ与野出身のMFは、昨年の選手権予選でも1年生では唯一のメンバー入りを果たすなど、指揮官も期待する選手だ。この日は得意のキックで魅せられなかったことを悔しがったが、4ゴールと活躍した田中は「たくさん点を取って、チームを支えられるような、周りのチームからもすごいなと思われるような選手になりたい」と今年にかける意気込みを示した。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和東 11-0 浦和実業
3(前半)0
8(後半)0