平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選1回戦 与野 vs 岩槻北陵

平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選1回戦。岩槻北陵高校グラウンドでも2試合が行われ、第1試合は岩槻北陵高校と与野高校が対戦した。試合は立ち上がり早々に先制点を奪った与野が前半に4点、後半にさらに3点を加えて7ー0で快勝し、浦和高校との2回戦に駒を進めた。

先制点は前半4分。DF池田悠人のパスに反応したFW大山岳士は、飛び出してきたキーパーに対し「慌てずに落ち着いてできた」と左側にかわしてゴールに流し込んだ。その後もスピードのある両サイドから積極的に攻め立て18分には、右に流れたFW荻原悠斗のクロスをニアで大山が頭で合わせると、ポストに跳ね返ったところをMF三浦竜太がプッシュして加点した。

その3分後には早くも3点目。エリア手前でこぼれ球を拾ったMF沼田夏大は「キーパーの位置はある程度見ていた」と前がかりになっているのを見逃さず。思い切って狙っていくと「コースはたまたま」としたが、ボールは綺麗にキーパーの頭上を越えてゴールに吸い込まれた。

前半33分には新チームで10番を背負い「得点を狙っていた」という荻原が、池田の横パスを押し込んで4ー0とした。今冬のローカル大会では10数試合程あった中で1得点と結果を残すことができなかったが、「年明けからずっとシュート練習をしていた成果が出た」と喜んだ。

後半も与野ペースは変わらず。12分には三浦、交代出場のMF岩浪聖太を経由して、エリア内に侵入した左サイドバックの岡安秀徳がフリーで決めて5点目。また後半はボランチからFWにポジションチェンジした友枝一馬が21分に右サイドを連携で抜け出すと、「キーパーが出てきたのでコースはなかったが、上が空いていたので狙っていった」と冷静に判断してゴール。友枝は34分にも沼田のアシストを中で合わせて7ー0とし、ゴールショーを締めくくった。

この日は途中出場したメンバーも含めて全員が2年生という陣容で臨んだ与野。「(昨年から主力で関わっている選手は)ほぼいない。まったくの新チーム。2年生が足踏みをしている状態で、1年生の足音も聞こえる中でそれでも諦めずに頑張れるかどうか。新人戦は最高学年になった2年生に、ひとつ自覚を持ってもらいたいというのが狙い」と新井正博監督はいう。

もちろん2年生にもチームを牽引していかなければいけないという自負は芽生え始めている。「冬の大会では1年生が結構出ていて、2年生の中でもやはり悔しい想いはあった。年が明けてから練習でのみんなのやる気が変わった」とは荻原。キャプテンのDF守谷海も「まずは自分たちでもできるところを見せて、尚且つ、1年生の力も借りて全員で勝ちたい」と語った。

迎えた翌日の2回戦。浦和と対戦した与野は0ー0で100分間を戦い抜くと、PK戦の末に勝利。県大会常連校を破っての3回戦進出は2年生の「自覚」を示すとともに、今後に向けたターニングポイントとなるかもしれない。8強入りをかけ、次戦は大宮武蔵野高校と激突する。

一方、敗れた岩槻北陵・小林学監督は「繋ぎ方や目指す場所が縦から横に変わってしまった」。序盤はMF市川陽介を起点にMF秋好陸らが何度か縦に仕掛ける形を作っていただけに「それを継続できなかった」ことを悔やんだ。昨年4月に5年間勤務した浦和西高校から岩槻北陵に赴任して1年目。当時8人だったという部員も現在は15人にまで増えたという。「ようやく形になってきた。ここから先、来年度、再来年度と繋げていければいい」と振り返った。

石黒登(取材・文)

試合結果

与野 7-0 岩槻北陵

4(前半)0
3(後半)0