花咲徳栄が大勝で8強入り! コンバート奏功、“はまり役”も増え、バージョンアップに成功
令和4年度高校女子サッカー選手権大会・ラウンド16(3日)。総体予選準優勝の花咲徳栄は13-0と埼玉平成を圧倒し、ベスト8入りを決めた。11日の準々決勝では南稜との一番を迎える。
花咲徳栄は前半7分、FW工藤千愛(2年)が沈めて先制すると、9分にはMF井上らら(1年)が抜け出し加点、11分には右SBの正木佑奈(2年)が技ありシュートを決めて3-0とする。
その後も工藤、正木、井上が加点すると、36分に工藤のポストプレーからMF島田果林(3年)がミドルシュートで突き刺す。1分後には工藤が決めて前半だけでハットトリックを達成した。
HT明けにはFW村田叶海(1年)の左CKからDF橋本琴音(2年)がヘディングでゲット。後半もメンバーを変えながら3分に島田、4分にセットプレーからMF田中伶弥(1年)が決めると、8分に井上が切り込んで右足で流し込み、工藤に続きハットトリックを記録。終盤にはMF関美月(3年)もゴールを奪うなど、最後まで攻め手を緩めることなく相手を圧倒し続けた。
末貴光監督は「もうちょっと苦しむかなと思ったんですけど、先週の反省も踏まえてよくハードワークしてくれた」と話す。初戦となった川越南戦では公式戦特有の緊張感もあり1-0で終わったが、「少し相手にも受けながら、中の選手にはプレッシャーを楽しむくらいでやろうと。あとサイドについても、前の方の選手というよりも後ろからどんどん、後ろが重たくならないように攻めようという話はした」というこの試合では、立ち上がりから攻め続けて大勝に繋げた。
総体予選では優勝にはあと一歩手が届かず。指揮官は大会を通してメンバーを固定出来なかったと話していた。それを受けてこの夏はいくつかのポジションチェンジを行った。ボランチの大矢静佳(3年)を中学校以来のCBに、サイドの攻撃的なポジションを担うことが多かった正木を右SBにコンバート。そういった中で「うまく勝率も上がってきた。一概に良くなったかはまだわからないですけど、明らかに“はまり役”がインターハイの時よりかは多くなったかなと。適材適所というんですかね。夏にいろいろ試してきたことが、良い方向に出始めたかなと」と話す。
今年は皇后杯の予選にも参加。準決勝でちふれASエルフェン埼玉マリU-18に敗れたが、「やって良かったなとは今回に関しては思いました。とてもレベルの高いチームと出来たというのは良かった」と末監督。大矢も「皇后杯に初めて出させてもらって、いつもと違う雰囲気で公式戦に挑むというのもチーム内でやっぱり大きかった。やっぱりそこがチーム全体の士気を上げる意味としても大きくいまに繋がっていると思います」と語り、正木も「そういう経験をする中でチームの雰囲気も勝ちの意識が出てきた」と話すようにチームにとって大きな財産となった。
短い夏を越えてバージョンアップに成功。大会連覇を狙う花咲徳栄がペースを上げてきた。
石黒登(取材・文)
試合結果
花咲徳栄 13-0 埼玉平成
8(前半)0
5(後半)0